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【スペイン】強度の高さ、フィジカルコンタクトの強さが特に求められる現代 スペイン・プレーオフ準決勝バルセロナ対パルマ・フットサル戦レポート

バルセロナのフェラオをマークするパルマ・フットサルのトーマス。準決勝の見どころのひとつとなったマッチアップだった。
(写真・文 座間健司)

 変わったのは、コートの中だけではない。達成条件が変容したことで、感情を発する場も変化した。かつてプレーオフ決勝進出を決めただけで、これほど優勝候補の選手たちやサポーターは、歓喜しただろうか。

 バルセロナとエルポソは、ファイナリストになることが決まった瞬間に、感情を爆発させた。リーグタイトルを勝ち取ったわけではない。目的達成に向けて、駒をひとつ前に進めたのであって、優勝まではあと少なくとも3試合が残っている。両者ともにリーグをけん引するファイナリストの常連であり、決勝進出は彼らの歴史、予算、陣容からすれば何ら不思議ではない。

 なのに、彼らには歓喜する理由があった。タイトルではないが、最低限の目的は達成できたからだ。

 来シーズンの欧州チャンピオンズリーグ出場権の獲得だ。

 今シーズンからUEFAフットサルカップは、UEFAフットサルチャンピオンズリーグへと名称を変え、大会方式も変更された。今までは前季の各国のリーグ戦王者と前大会王者だけが出場できたが、UEFAランキング上位3カ国は自国リーグ戦の上位2チームに同大会の出場権が与えられることになった。

 今シーズンで言えば、昨季のスペイン、ポルトガル、ロシアのそれぞれのプレーオフファイナリストが欧州カップへの出場権を手にしていた。来シーズンも同様だ。ゆえにバルセロナとエルポソは、決勝進出を決めた時にまるでタイトルを獲得したように喜んだ。特にエルポソにとっては、2011-2012シーズン以来の欧州の舞台となる。

 ほんの数年前の準決勝とは、景色が変わった。

 コート内も同じだ。近年のトレンドである選手のアスリート化はさらに顕著となっている。コンディションが悪ければ、自分の長所は、もはや発揮できないようだ。

 プレーオフ準決勝1、3節のバルセロナ対パルマ・フットサル戦では、ディエゴがまさにそうだった。バルセロナが誇るブラジル代表アタッカーは、万全ではないのが手に取るようにわかった。2016-2017シーズンのリーグMVPは1対1が得意なアラで、カットイン、縦への突破で決定機をつくるが、準決勝ではボールを奪われることが多く、ひとつは失点に直結してしまった。どれだけスキルが高く、駆け引きに優れていても、今はプレーの強度が高く、球際となればボディコンタクトが恐ろしいほど強いから、コンディションが万全でなければ、突破できない。コートで違いを生み出せない。緊張度とワンプレーのシビアさが濃密な準決勝ならば、なおさらだ。数歩進めば、もう相手と接触せざる得ないこのスポーツにおいて、ディフェンスの戦略が行き着いた今、フィジカルフィトネス面が重視される傾向は必然だった。

 その点で言えば、バルセロナのストライカー、フェラオが常にライバルにとって脅威だったのは象徴的だ。現在2シーズン連続で得点王で、今シーズンもゴールランキング2位のストライカーは、後方から身体を当てられても、全く動じない。むしろ自分の行く手を阻むものは、すべてふっ飛ばす。スタンドに迫力を伝えられるプレーヤーだ。彼の得点力の根源はスキル、戦術眼というよりも、シンプルにその強靭な肉体にある。

 パルマ・フットサルのバディージョ監督は、フェラオがコートに出てくると、フィクソのトーマスをすかさず送り込み、マークさせた。トーマスは、パルマ・フットサルで最も背丈があり、対人に強いディフェンスが武器だ。彼らは、常に対峙した。フェラオがベンチに下がれば、トーマスもコートを後にする。バディージョ監督は徹底していた。

 フェラオは厳しいマークに遭ったが、それでも決定機を数度つくっていた。流石だった。しかし、手にしたシュートチャンスは、他のゲームと比較すると明らかに少なかった。審判に執拗に抗議をし、イエローカードを受けるなどパルマ・フットサルとのゲームでは、フラストレーションが溜まっているのは明らかだった。準決勝3試合、延長戦も含めると132分で、レギュラシーズン30試合33得点のストライカーは1ゴールだった。バルセロナでのアウェーゲーム2試合ともに敗れたとはいえ、パルマ・フットサルの策が成功したことは、PK戦まで決着がもつれ込んだことが実証していた。その一方で、バルセロナが個に依存していることが見て取れたゲームだった。

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