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【親善試合】ブルーノ・ジャパンが戦うアルゼンチン代表とは? ミゲル・ロドリゴや高橋健介との深いつながりも

1989年にFIFAがワールドカップを運営するようになってから、2012年タイ大会まで世界を制した国は2カ国しかなかった。王国ブラジルとスペインだ。ワールドカップは、この2大国の戦いの歴史でもあった。例えば2004年に台湾で行われたワールドカップだ。決勝はスペインとイタリアだったが、決勝がまだ控えているにもかかわらず大会を追っていたほとんど全ての人がスペインとブラジルが対峙した準決勝を「事実上の決勝だった」と話していた。

セレソンと無敵艦隊しかなかった歴史に、3番目の国として新たに名を刻んだのが、アルゼンチンだ。コロンビアのカリで、アルゼンチンは決勝でロシアを破った。セレソンは決勝トーナメントでイランに敗れ早々と姿を消すと、スペインは準々決勝でファイナリストのロシアに完敗した。アルゼンチンはブラジルともスペインとも対戦していないが、世界王者に輝いた。

グループリーグ
アルゼンチン 1-0 カザフスタン
アルゼンチン 7-3 ソロモン諸島
コスタリカ 2-2 アルゼンチン

決勝トーナメント1回戦
アルゼンチン 1-0(延長戦) ウクライナ

準々決勝
アルゼンチン 5-0 エジプト

準決勝
アルゼンチン 5-2 ポルトガル

決勝
ロシア 4-5 アルゼンチン

ワールドカップコロンビア大会戦績
7試合6勝1分26得点11失点

アルゼンチンは1敗もせずに大会を制覇したが、決して圧倒的な強さを示したわけではない。初戦で足元が上手いブラジル人ゴレイロ、イギータを活かしたカザフスタンに勝利するなど2試合で早々と突破を決めたが、3戦目ではコスタリカに引き分けている。そしてそのドローを引きずったのか。決勝トーナメント1回戦では、延長戦で第2PKを下にして、何とかウクライナに辛勝した。1度はフォームを崩したが、その後は準決勝、決勝とすばらしいパフォーマンスで勝利した。特に準決勝のポルトガル戦ではリカルジーニョを封じるなど完璧に近いパフォーマンスを披露した。

アルゼンチンを率いるのは、ディエゴ・ジュストッシ監督だ。現役時代は同国代表をキャプテンとして率いたフィクソで、スペインやイタリアでプレーした。彼は引退後にイタリアやスペインで指導のメソッドを学び、代表監督に就任した。また彼の右腕が現役時代にインテルやセゴビアで活躍した元アルゼンチン代表のマティアスだ。第2監督としてベンチに座っている。スペクタクルなプレーでスペインを魅了したアタッカーは、2012年ワールドカップで腓骨を複雑骨折し、この怪我は癒えることなく、引退した。2人はミゲル・ロドリゴが指揮していた時期に、セゴビアでプレーしていた。当時は高橋健介もいた。彼らは選手時代の経験だけでなく、しっかりメソッドを取得し、それを土台に自身の経験を上積みさせる新たな世代の監督だ。

ワールドカップ初戦で、アルゼンチンはカザフスタンに勝利した。カザフスタンはイギータの足を活かし、パワープレーを仕掛けてきたが、アルゼンチンはパワープレー対策を徹底して行い、先制点はイギータのパスをカットしてから得点を奪っている。結局、この1点が決勝点になったのだが、ディエゴ監督の分析の賜物だった。はたして、ワールドカップ王者は、日本をどう分析し、どんなプランで挑んでくるのだろうか。ディエゴとブルーノ・ガルシアの戦略の駆け引きも親善試合の見所のひとつだ。

ディエゴが率いるチームはワールドカップでは1試合平均3.7得点を記録しているが、決して破壊力があるチームではない。攻撃に華があるわけでもない。全員が規律を守り、勝利のためにハードワークし、かつ自分の役割を全うする。そんな印象だ。堅実なディフェンスがまず土台にあり、どの選手にも献身、犠牲心が求められる。スペインのハエンで活躍するピヴォのアラン・ブランディは攻撃時にはピヴォとして起点となるが、決して守備をさぼらない。攻撃でも自陣に下がり、組み立てに絶えず参加する。イタリアで活躍する小柄なアタッカー、ボルートはスピードのある突破が魅力だが、彼も前線から積極的にプレスをかける。アルゼンチンのフットサルを体現するのが、マキシ・レシアだ。アラ-フィクソは豊富なスタミナをベースにコートを縦横無尽に走り回る。強度の高いディフェンスと止まることのない予備動作、さぼることないランニング。日本代表の吉川智貴同様に現代フットサルの多くの最も大事な要素が凝縮された選手だ。

アルゼンチンはそれこそディエゴ監督が現役時代には、カルロス・サンチェスなど今の世代よりもタレントがある選手が揃っていた。だが、結果は残せなかった。それは今のチームと比較するとよく分かる。かつてのチームには献身性や規律がなく、その土台となる各選手の犠牲心、結束、フィットネスがなかった。組織的なディフェンス、そしてボールを奪ってからの無駄のないショートカウンターは、どのチームにとっても脅威だ。ディフェンスではワールドカップでベストゴレイロに選出されたニコ・サルミエントの存在が欠かせない。彼がいなければ、ワールドカップ制覇なかった。奇跡的なセーブで、チームを支えた。

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40分、青と白の集団は汗を流す。好みは別にして、現代フットサルの最先端を体現しているのが、アルゼンチンだ。

<文=座間健司>

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