【Fリーグ】2017/2018シーズン第1節2日目 迷走の大分が最下位スタートに

Fリーグ2017/2018シーズンが開幕した。11日には第1節の2日目が行われ、フウガドールすみだ対バサジィ大分、名古屋オーシャンズ対府中アスレティックFC、湘南ベルマーレ対ヴォスクオーレ仙台の3試合が行われた。

第1試合に登場したバサジィ大分とフウガドールすみだは、ともに選手の入れ替えが多かった。とはいえ、両者のチーム作りには明確な違いがある。FP太見寿人が現役を引退し、FP西谷良介が名古屋に引き抜かれたすみだは、湘南からFP岡村康平、名古屋サテライトからFP大薗諒らを補強した。さらに下部組織からもクラブのメソッドを体現できる選手たちが昇格しており、経験不足という不安こそあるものの発展性は十分だ。

対する大分は、Fリーグで最も迷走しているクラブといえるだろう。名古屋に次ぐ資金力を有すプロのクラブでありながら、クラブの方向性が見えてこない。若手育成を掲げていたかと思えば、ようやく育ちつつあった選手たちを昨季の終了後に大量放出。神戸の象徴的存在であったFP原田浩平を筆頭に、実績のある元日本代表選手を獲得した……と言えば聞こえはいい。だが、28歳の芝野創太を放出して、33歳の原田を獲得するなど、通常ではあり得ない『補強』が行われている。また、女子バレーボール部ではなくユースチームを設立していたら、すみだのような展開も期待できた。日本フットサル界を飛躍させ得るポテンシャルを秘めているだけに残念でならない。

大分の迷走ぶりは、試合でも見られた。1-8と大量リードを許した試合の終盤にパワープレーを開始。ここで、それまで一度も出場していなかったFP仁部屋和弘が起用された。仁部屋は昨シーズン終盤からの負傷が長引いており、開幕戦まで満足に練習ができていない状態だったという。勝敗の行方がほぼ決まった展開で、せっかく温存していたエースを出す必要があったのか。

チームのコンセプトがしっかりと新加入選手にも伝わっていたすみだが、大分を全く寄せ付けることなく、9-1で完勝。太見が卒業し、新エースになることが期待されるFP清水和也が不在の中で、新たなピヴォである大薗が3ゴール、岡村も1ゴールを挙げた。昨季に続き、序盤戦を盛り上げてくれそうだ。

第2試合は名古屋オーシャンズと府中アスレティックFCの対戦。リーグ戦の前にオーシャンカップでも対戦した両クラブ。このときは、新エースのFPラファのゴールで名古屋が競り勝っていたが、そのラファが開幕戦前に負傷し、この試合では不在だった。もともと府中は名古屋に苦手意識もないため、王座奪還に燃える名古屋の出鼻をくじける可能性は十分あった。

実際に試合は五分の展開となるが、ピヴォのラファ不在は、名古屋にとって大きな打撃となっていた。新加入のFP西谷良介がボールを前方にボールを入れてから、再びボールを受けられる回数が少なく、窮屈なプレーを強いられた。対する府中はFP宮田義人、FP皆本晃がカットインから何度かゴールを脅かしたが、名古屋のGK篠田龍馬がそのすべてを枠外へ弾き出す。

守護神の奮闘に応えたい名古屋は、後半13分にFP齋藤功一がゴール前でこぼれ球に鋭く反応し、左足でGKクロモトの守るゴールを割った。結局、この1点を守り切った名古屋が1-0で勝利。試合前のアップ中にFP完山徹一が負傷し、枚数が足らなくなっていたとはいえ、府中は昨シーズンから選手の入れ替わりも少なく、チームとしての完成度も高い。それだけに、勝っておきたい一戦だった。

第3試合の湘南ベルマーレとヴォスクオーレ仙台の一戦は、6-0というスコアも、39-11というシュート数が示すとおり、力の差がはっきりした一戦だった。

湘南は今シーズン、プレーオフ進出を狙えるだけの戦力が整った。3年ぶりにFリーグに復帰したFP内村俊太、町田から加入したFP本田真琉虎洲が先発出場を果たしており、選手層が一気に厚くなっている。さらに昨季まで3年にわたって監督を務めていたFP横澤直樹が現役に復帰。41歳という年齢に加え、3年間も選手生活から遠ざかっていた選手が活躍できるリーグなんて、トップリーグとしてどうなんだ……と思っていたが、横澤は先制点をアシストする活躍ぶり。その他の場面でもしっかりとボールを収めており、ショートカウンターから、あわやゴールという場面もあった。もちろん横澤にも頑張ってほしいのだが、正直、「それでいいのか、Fリーグ」という気持ちの方が強い。

試合後の会見で、ホセ・フェルナンデス監督は、「私だけかもしれないが、今季の仙台はプレーオフに行けると信じている」とコメントした。ただ、この開幕戦を見る限り、選手が別人に変貌するくらい成長しないと厳しいだろう。「0-1の負けも、0-6の負けも、同じ勝ち点3」と、大差での敗戦を気にしていなかったホセ・フェルナンデス監督だが、6失点目のように若い選手たちが集中を切らして戦っているうちは、劇的な成長も期待できないだろう。この試合を教訓に、次節以降の奮起に期待したい。

個人的には、まったく準備ができていないまま、2017/2018シーズンが始まってしまったが、今シーズンのFリーグは飛躍する可能性がある。これまでもセントラル開催を中心に放送をしてくれていたJ-SPORTSに加え、Abema TVでのLIVE配信も始まり、これまで以上に多くの人たちが国内トップレベルのフットサルを目にするチャンスを得たからだ。

新規ファンの開拓に期待がかかるが、リーグとしては、これまで以上に会場に足を運び続けてくれているコアなファンを、どれだけ満足させられるかを意識しなければならない。パソコン、タブレット、スマートフォンといったデバイスを使えば、自宅や外出先でも手軽に試合が見られることになった。アリーナに足を運んだのに不快なことがあったり、逆に特別な何かを感じることができなければ、客足は一気に遠のくだろう。アリーナが閑散として盛り上がっていなければ、その様子は映像からも伝わる。チャンスは一転して、ピンチにも成り得る。そのことを強く肝に銘じるべきだ。