フウガドールすみだバッファローズ

【都リーグ】ストロングポイントを磨いての開幕戦勝利 すみだバッファローズ冨成弘之監督「常に危機感を与えながら、一年間走り続ければ」

4月7日に開幕した東京都1部リーグ。その開幕戦でフウガドールすみだバッファローズは、7-2でカミーザに勝利した。過去3年に渡って開幕戦で勝利できていなかったすみだバッファローズにとって、大きな勝利。「やるべきことを明確にして臨めたことが結果に繋がりました」と、勝因をツイッターで綴っていた冨成弘之監督の試合直後のコメントをお届けする。

以下、カミーザ戦後の冨成弘之監督のコメント
――昨シーズンは監督就任1年目で全日本選手権で決勝ラウンドまで進み、大躍進を遂げました。その一方で、都リーグの優勝を逃していますが、どんなシーズンでしたか?
冨成 一番は都リーグで関東リーグに参入することが、僕のミッションだと思っていました。基本的に自分に付けられる点数はないと。強いて言って、100点満点中3点という話もさせてもらいました。一番はいかに都リーグで結果を出すかだったので、ベスト8に行けたことはすごくチームにとっても、選手にとっても、僕自身にとっても良い経験になりましたが、一番はそこが大前提だったので、気持ちとしてはすごく複雑でした。

――すみだバッファローズは、主力が毎シーズン抜けてしまいます。今季も多く抜けましたが、新シーズンに向けての手ごたえは?
冨成 現状はまったくないです。昨シーズンの選手権で浜松、大分と戦ったチームと比べたら……なかなか比較するのは難しいですが、5%~10%くらいの出来かなと感じているところです。8人くらい入れ替わり、平均年齢も2、3歳は若返っています。正直な話、(開幕戦で4得点を挙げた)平井雅大も前日のトレーニングのコンディションは決して良くありませんでした。でも、これが都リーグであり、試合っていうものなんだなとあらためて感じました。基本的には、どの選手も若いので、チャンスを与えてどっちに転ぶかは、プレーしてみないとわからないのがあります。今日は、平井は初め使っていなかったのですが、ポッと出したらコンディションが良くて、結果も出して、そのまま使い続けた結果、ああなった。そこがこのチームの面白いところかなと思います。

――練習では良くなかったんですか?
冨成 良くなかったです。背景を話すと、外川がずっと負傷をしていて、1週間前くらいにやっと負傷が治って入ってきて、もともと平井がやっていたフィクソに入ってきました。モチベーションを維持するのが難しい中でのプレーでしたが、逆にそれが今日、チャンスをもらったときに「ここでやらなきゃ」というところに生きたことがあったのかもしれません。

――すみだバッファローズは、開幕戦に弱いイメージがあり、ジンクスを破った形です。
冨成 3シーズン、開幕戦で勝てていませんでした。その部分は選手たちと共有していましたし、このチームが始動してまだ4週間しか経っていないので、開き直るしかないところもありました。4週間のトレーニングも、プランニングから絞って絞って「ここだけ」ということしかやっていません。今日のエラーの中で、トレーニングが薄かった部分については目をつぶると。自分たちのストロングポイントの土台を築いて、開幕戦でしっかり発揮することに振り切っていたので、それが去年はなかった縦方向への思いきりの良さがすごく出た印象なので、絞った部分が結果的に良かったかなと思いました。

――ドリブルからのチャンスメイク、そこからのゴールが多かったですね。
冨成 去年は、そこのストロングとして縦方向に抜けていく選手はいたのですが、どこかいろいろな知識が入り、怖さが出ていたと思います。今日、カミーザは後ろでブロックつくって、カバーリングが入っていました。そうなると『行けない』と判断していたかもしれません。でも、今日の北村みたいに、そこをあえて行くことでゴールが生まれる。その思いきりの良さをもっている選手が多い部分はあります。考え方で言えば、「絶対にカバーに入るぞ」、「だから逆サイドに飛ばして、逆サイドで数的優位をつくろう」みたいな話はありますが、選手の中では平井の1点目、3点目が象徴しているように、完全に目の前が空いていると思ったら、迷わずに前に持ちだせる。それは今年の、若いからこそ、純粋でゴールに向かう姿勢が強いのかなと思います。結果として、それが出ているかなと思います。

――チームが決めた4点目、5点目は、GKから始まった速攻でした。
冨成 あれもトランジションの中で、うちらの前提に「切り替えゼロ秒」というフィロソフィーがあって、そこを徹底してこの1カ月間、言い続けて、その部分でゴール方向にまず向かう姿勢がリンクした部分があったので、非常に良かったと思います。

――この試合を見たら、引いてくるチームが増えてくるでしょうね。
冨成 間違いなく、そうでしょうね。引いた相手に関しては、今日の結果いかんを問わず、『引いた方が絶対に優位性を持ってゲームをマネジメントできるよね』と思っているチームが多いと思います。そこに対しては、去年も年間を通じてやっているところですし、一つの課題であることは間違いありません。大事なことは、先制点を取って、相手が行かざるを得ない状況をつくれるかどうかがすべてだと思っています。だから、守備からしっかり入った中で、トランジション一本でゴールを奪う、セットプレーで一本ゴールを奪う。それだけでゲーム展開は変わってくるかなと思うので、そういうマネジメントはしたいなと思います。

――今日は2-0から追いつかれて2-2になり、難しいゲームになりかけたところで、取れた勝ち越しゴールの3点目は、大きな意味を持ちました。
冨成 大きかったですね。あそこが一つの分かれ目かなと思いました。昨年も2点差から3失点くらって逆転されていましたから、相手が良かったかなと思います。うちらは2点差から3点取られて、ひっくり返された去年の感覚があったので、2-0になってから追いつかれたときも、そこまで選手たちに動揺はありませんでした。「やっぱり、こういう展開になるよね」という話はしていたので。そこでちょっと色を変えて、ずっと同じセットでやっていたのに対して中を締められたときに、平井を一つ使って思ったとおりにアクションをとってくれたのは大きかったと思います。

――個人の話をさせてください。今季、畠山勇気選手をキャプテンにしました。その意図は?
冨成 彼はフウガ歴が長いですし、上の選手にもものを言えます。広い目で見たとき、チーム全体も見られる視点を持っていますし、バッファローズでキャプテンマークを巻くことはノリだけではできません。また、キャプテンシーを誰よりも持っている人間だと思いました。逆に春木とか、外川といった年長者がキャプテンになることも、マネジメント的には良いと思います。ただ、あいつの肝が据わったところは、チームに与える影響が大きいと思います。今後、間違いなくフウガの象徴になっていくと思うので、そういった部分でも責任を持たせるポジションにつかせたいねということを、須賀(雄大)監督とも話をして決めた形にもなります。

――今日はピヴォの位置にも入っていましたよね?
冨成 今年はピヴォがゼロなんです。前に入っているレフティーの2人、山田と熊谷も、もともとはアラです。そこをどうボカすかになりましたが、先ほども話したように前方向へのアクション、機動力は、去年よりも長けているので、極力、偽ピヴォみたいに逃がして、中央のセンターラインのスペースをどう攻略するかというやり方の勝負です。畠山を(ピヴォに)入れているときは、ある程度センターレーンで張れるようになってきているので、逆にその目先を変える意味で、真ん中からサイドレーンをどうとるかの目先を変えたり、畠山が変わってレフティーが入ってきたらセンターレーンの駆け引きになってと、相手の守備の目先を変えられたらというのがありました。基本はあまりピヴォで使おうという意識は強くありません。あとは彼自身の育成という視点を考えたとき、U-19日本代表で鈴木隆二監督がどこで使うかをリンクしながら考えていきたいところもあります。広い話をすると、クラブの選手ですが、日本代表という国を背負うことになったとき、ここの環境がそこのプラスに少しでもなるようにすることが、こちらの務めだと思うので、本人とも話をしながら定めていきたいと思います。

――鈴木隆二監督は、フィクソ兼ピヴォ好きですからね。
冨成 大好きです(笑)。今日で言えば、高2の竹内達哉とか、高3の佐々木拓海とか、畠山勇気、船入快人とか、ファルコンズ上がりの選手たちは、中学生から5、6年はフットサルに触れています。だから、どこでもできるのですが、一種になってきたらそろそろフォーカスしていって、自分が一番合うところに絞っていかないといけない時期です。どこかのタイミングで畠山も、フィクソならフィクソ、アラならアラ、ピヴォならピヴォと絞っていくことになると思います。

――駆け引きを覚えるために、後ろの選手が前をやるのもいいですからね
冨成 間違いなく。トレーニング中もいろいろなところをやらせています。その中で最後にゲームになって、セットを組んで、試合まで1週間となったときにある程度フォーカスして行く形が多くなるかなと思います。

――開幕戦が終わったばかりで気が早いのですが、上に選手を送り込む育成のミッションを考えて、今日目立った選手はいましたか?
冨成 強化指定に入っている面々ですね。今日の2点目を取った北村は、ブラックショーツから来て、強化指定で決まっているので、彼は多分トップで出るだろうという感覚でいます。ただ、彼については我々が育成したというよりは、外で育った選手が入ってきたという感じです。希望としては、育成年代から来た選手たち。畠山、佐々木ら、フウガで育った選手に強化指定として入っていってほしいなと思いますが、できることなら全員がそういったチャンスをもらって、チャレンジできる環境だったらいいだろうなと思います。外川も途中で抜けたのがありますが、すみだで8年目、9年目くらいなので。彼もトップに行くラストチャンスくらいだと思ってもらって、トップに籍を置ける時期がくればなという視点は持っています。

――山田翔司選手がアップのとき、すごいシュートを打っていました。
冨成 山田はサッカーでJリーグの下部組織で育ち、去年まではJFLでやってきたサッカーのエリートで育ってきた選手です。左利きでボールの置きどころやさばき方には長けています。トレーニング中も、ゴール方向へのボールの扱い方は、すごく長けている印象が強くて、シーズン当初はずっとアラで使っていました。前に選手がいないこともあるのですが、よりゴールに近い所でボールを持たせたら面白いだろうなという感覚があったので、ピヴォでも使いました。いろいろそこも試しながらかなと思っていますが、面白い選手だと思います。

――ただ、試合が始まるとなかなかいい所がありませんでした。
冨成 まずフットサルに慣れていないところがありますからね。頭のところもそうですが。

――切り替えのときのディフェンスができていなくて、独走を許してしまうことがありました。
冨成 はい。だから、彼は順応して来たら化ける感じはあります。サッカーベースで来ていて、その後東海2部のフェルベリーノというクラブで半年くらいフットサルをやっていたくらいなので、まだまだ頭の中は整理できていません。練習を見ていても、パニクっているのが、わかるので。でも、そこを含めて難しいことは今日は言っていないので。ここに来るまで本当にシンプルなことにフォーカスしてきたので、「ここだけはちゃんとやろうぜ」と言ってきたアクションとしては、合格点を与えていいと思います。トランジションの守備、ボールロストした後のアクションに関しては、トレーニングでもそこまで触れられていないので、できなくても仕方がないところです。

――キックインのときによそ見していたから、「フウガらしからぬ選手だな」と思ったら、そういうことでしたか。
冨成 それです、まさに(苦笑)。やっと入ってきて、合流してまだ1カ月弱なので、そこのDNAはまだありませんね。

――セレクションを受けて入ってきたのですか?
冨成 セレクションです。向こうから来て「仕事とか斡旋してくれませんか? こっちでフットサルやりたいです」と言うくらい、アグレッシブなやつです。今年のセレクションは40人くらい受けていて、その中で合流した一人です。セレクションは、トップチームとバッファローズという形でやっていて、こっちに魅力がなければ、正直、人数はなかなか来ないはずです。ですから、バッファローズとしての魅力は常に追い求めている部分があります。須賀監督も、「チーム名を『すみだサテライト』としていないのは、一つのチームとしてみんなに認めてもらいたいから『すみだバッファローズ』という名前をつけているんだ」と言っていました。だから、『フウガのサテライト』と呼ばれることは去年なかったですし、『バッファローズ』って呼んでいただき、選手権でも『バッファローズ』と呼ばれました。このチームに魅力があるから、「はじめはトップではなく、バッファローズだよ」と言っても、「やりますよ!」と言ってくれる選手が出てくれているのだと思います。だから、なおさら関東に参入したいですよね。そこの環境をもっと整えれば、もっと良い選手を、もっと良い環境で育てて、トップに挙げる流れができると思うので、本当に関東参入したいというのは、広い目で見てもあります。

――今年のチームもどうなっていくか、楽しみですね。
冨成 僕もちょくちょく発信していますが、1週間くらいでチームはそんなに変わらないと思うのですが、彼らは本当に変わるので。新チームの始動1週間目なんて、「開幕、これはやべーぞ」と思っていたのですが、それが開幕までにここまでできたので。彼ら、ひたむきなんですよ。若い分。去年は数年バッファローズでやってきて、いろいろな経験値を持っていて、『ここはある程度抜いてもいい』というのが分かっている選手もいました。でも、今年はそれをわかっていないので、ひたむきにトレーニングするし、ひたむきに戦うし、あれだけ点数を付けてもプレースタイルを変えない。それが今年の良さだと思うので、常に危機感を与えながら、一年間走り続ければ、それなりの結果をつかめるかなという感触が徐々につかめています。でも、まだまだ伸びしろはあると思うので、楽しみにしていてください。

――Fリーグが開幕する前に、バッファローズをもっと見に来てほしいですね。
冨成 そうですね。でも、今週こういうプレーをして、来週ガラッと変わるのがバッファローズなので。この1週間は本当に僕のマネジメント次第です。

――良く変わるか、悪く変わるか。
冨成 どっちに転ぶかは、来週見てもらえれば。そこを彼らが勘違いしないように、僕がどうするかっていうところです。あと10日に須賀がスペインから帰ってくるので、そこでいろいろ言葉をもらったりしたときに、プラスに変えられるように土台を整えておくことが大事だと思っています。

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