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【Fリーグ】先制弾で古巣・名古屋の10連覇を阻止した町田FP森岡 「自分にしかわからない感情」

[2.25 Fリーグプレーオフ・セカンドラウンド 名古屋0-3町田 墨田]

 

ペスカドーラ町田は、25日のFリーグプレーオフ・セカンドラウンドで名古屋オーシャンズに3-0で勝利し、プレーオフファイナル進出を決めた。

 

この試合で先制ゴールを挙げたのは、昨シーズンまで名古屋で9番を背負っていたFP森岡薫だった。右足が警戒される中で、中央でボールを受けた森岡は、相手選手を引き連れて右サイドへとドリブルし、右足を振り抜いた。GK篠田龍馬が「僕の位置からは完全にブラインドになっていて、見えたときには、もう真横までボールが来ていた」という一撃は、町田に勇気を、名古屋に焦りを与えていた。

 

試合終了のブザーとともに、ピッチに仰向けに倒れ込み、男泣きしたストライカーが、試合後に思いの丈を語った。

 

以下、名古屋戦後 ペスカドーラ町田FP森岡薫選手のコメント

――すごいシュートでしたね。狙っていましたか?

森岡 逆サイドに蹴ることは狙っていましたが、サイドネットまでは狙っていませんでした。

 

――試合直後は感極まっていましたが、少し時間が経ってみていかがですか?

森岡 今は、ちょっとホッとした部分があります。これで決勝に行けます。決勝は、また別物ですが、ここまでの道のりが長かったので、いよいよ来週が決勝だっていう感じですね。

 

――移籍もあり、負傷もあり、これまでとは全く違うシーズンだったと思いますが、今季のリーグを振り返ると、どうでしたか?

森岡 僕が最後に名古屋のユニフォームを着て(全日本選手権で)ケガをして、5カ月から半年くらい、万全の状態でプレーできませんでした。そこでチームを観客席から見る歯がゆさ、申し訳なさもあって…。プロとしてこのチームに来ているのに、自分は貢献できていないことで、居づらさも感じていました。ケガも、大きなケガで、医者には「日本では珍しい」と言われ、手術をするのか、保存していくのかで悩みましたし、手術をしないでも元に戻るかということでも悩みました。ここでは言い切れないくらい、いろいろなことがありました。

 

――ここで名古屋が負けたことで、10連覇を経験できるのは森岡選手だけになりました。

森岡 そうなってから、また、そういう気持ちになればいいと思います。決勝に行くのは、一番高い壁だったので。すみだとは、リーグ戦で3戦3勝でしたが、プレーオフはまた別世界でした。すみだのホームゲームでしたし、そこで大差をつけて勝てたのは大きかったですが、大勝した直後の試合がうまくいかないことも、何度も経験していました。だから、慎重に入らないといけませんでしたし、名古屋も最初から勢いがありました。昨日の試合とは、条件も変わり、僕たちは同点では勝ち上がることができませんでした。いろいろな壁を乗り越えながら、勝つことができて良かったです。

 

――名古屋に勝って、次に進めたのは、終わったときにどう思いましたか?

森岡 正直に言うと、僕にしかわからない感情だと思うので、自分の胸にしまっておこうと思います。

 

――「超、気持ち良い」と言っていましたが、ちょっと表情は複雑そうでしたね。

森岡 うーん…。でも、「気持ち良い」と言ったのは、あの場でああいうふうに聞かれたから、盛り上げないとなと思っただけで…複雑ですよ、本当は。でも、あの場で「複雑な気持ちです」とも言えないしね。でも、実際は複雑です。長年、名古屋で一緒にプレーしていた選手たちの姿を、僕が別のチームの一員として見ているのは、複雑でしたね。本当にいろいろな気持ちがこみあげてきて、試合直後は涙になって溢れました。

 

――それでも、自分の価値を証明するという点では、この試合でもしっかりできたのではないですか? 特に1点目は、素晴らしいゴールでした。

森岡 これね、インタビューだから言うわけではないのですが、夢で見たんです。今日のゴールのシーン。すみだ戦で、似たようなシーンがあったんです。カウンターで中にカットインして、一人ズラしたときにボールを失ってしまったのですが、『名古屋戦では、こういう場面で決められたらいいな』と思っていたんです。寝る前に『同じような場面になったら、ニアサイドではなくて逆サイドに打とう』と思っていたら、夢で見て…。それが決まった嬉しさもあったけど、相手は名古屋だったし、このまま1-0で逃げ切れるとは思いませんでしたね。

 

――先ほど「複雑な思い」と言っていましたが、自分が名古屋にいて、連覇が途切れたとしたら、どういう心境だったと思いますか?

森岡 いや、もう考えられない。考えられないです。どういう感情も、何も、僕は優勝できなければ、クビになるというのが分かっていましたから。プロですから、そうなりますよね。負ければ、いろいろと入れ替わるでしょうし。だから、自分が名古屋の選手の立場だったら、どう考えるかというと、そんな余裕ないですよね。次の日から、仕事がなくなるわけですから。僕だけじゃないからね。家族もいるから。僕一人だったら、何とかなりますけど…。やっぱり長年やって、急に仕事がなくなる経験は一度しているからわかりますけど、名古屋の選手たちが実際にどうなるかわからないけど、複雑な気持ちであることはわかりますよ。でも、それがプロですからね。今、自分はプロではないチームにいますが、少しでも自分の経験をシェアしたいですし、みんなも、僕が間違っていたとしても素直に僕の言うことを聞いてくれる。その中で、こうした勝利は大きいですよ。

 

――名古屋を倒したことで、気持ちがピークに来ていることはありませんか?

森岡 それはないですね。そうなってはいけませんし、ここで少し時間が空くので、また地に足を付けてやっていきたいです。町田は全日本選手権で決勝に進んでいますし、決勝に進んだだけで満足するようなチームではありません。プレーオフも、選手権に近い部分があるので。ただ、条件としては、大阪にアドバンテージがあるので、苦しいですし、かなり難しいですが、不可能ではないので。

 

――引き分けが1回も許されない、新しいレギュレーションですが?

森岡 僕もこれまで戦っていましたし、リーグ戦であれだけ勝ち点差をつけられていたら、これくらいのアドバンテージは、当然といえば当然です。昨シーズンは、5位のチームがファイナルに上がって、2位、3位はどう思うんだろうっていうのもありましたし。そういう意味では、大阪にアドバンテージがあるのも当然だと思います。

 

――リーグ終盤の大阪戦は快勝しましたが、その前の対戦ではアルトゥールに止められてカウンターを受ける場面もありました。個人的にも大阪には借りがあるのでは?

森岡 リーグ戦の最後の試合は、向こうがフルメンバーではありませんでした。僕も体のキレが今年になって戻ってきました。向こうも万全な状態、こっちも万全な状態で戦うと、どうなるかはわかりません。でも、厳しい試合になるでしょう。今日の名古屋戦も、自分が右にしか行かないのを相手もわかっていて、その分、止められていましたし、シュートの本数も少なかった。昨日のすみだ戦も、1本しか打っていなかった。でも、そういうところで決めていきたいと思います。

 

――展開としては、打ち合いになるときついのではないですか?

森岡 うちには、スーパーなGKがいるので。今日の試合も、勝ったのは彼のおかげだと思います。2、3点入ってもおかしくない1対1の状態で、彼は止めていますから。打ち合いになれば……僕は、打ち合いがあまり好きじゃないんです。打ち合いだと、どっちにでも転ぶから。やっぱり、しっかり良い判断をしないといけないので、打ち合いはできれば避けたいです。厳しい試合になると思いますが、こっちには走れる選手がいますからね。走れる選手は、大きいと思いますよ。名古屋で走れる選手と言えば、吉川(智貴)がいました。吉川がいると、全然違いました。吉川のレベルまではいきませんが、それに近いことをやっているのが(中井)健介。

 

――中井選手には、怒る回数が減りましたね。

森岡 そうだね。怒る回数も減ったし、最近は彼と私生活でも一緒に食事をしたりしています。彼は良い選手だと思うし、先輩にも動じない。あきらめずにやるし、頭も良い。サッカーから来ていて、町田でしかプレーしたこともないから、経験で未熟な部分もあるけど、楽しみな選手です。町田はそういう走れる選手がいるのは大きいですね。(金山)友紀くんも、そうですし。今日の2点目のような、得点感覚。最後まであきらめずに走って、そこにイゴールからのボールが来るというのは、彼にしかできない。名古屋にいたときは、(北原)亘がセグンドに行っていましたが、ここには金山友紀がいるので。環境もありますけどね。町田も良い環境になってきていて、僕らが練習しているところには、筋力トレーニングができるジムもあって、近々、食事もできるようになります。練習して、ジムでトレーニングして、食事ができるという最高の設備になるので、あとは選手がしっかり、それに応えられるようにしないといけません。

 

――選手権も決勝トーナメント進出になりました。

森岡 そう! そうだね。名古屋が自分たちの代わりに、大阪で戦うんだよね。良かった!

 

――甲斐修侍選手のラストシーズンを2冠で終える可能性が残っています。

森岡 そのために僕はここに来ているんでね。できれば、そうしたいです。

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