Fリーグ

【Fリーグ】すみだの呪縛をわずか2分で解き放ったFP春木啓佑「緊張よりも自分の持ち味を出す意思が上回った」

7.21 F16節 すみだ 4-1 F選抜 墨田]
一昨シーズン限りで、フウガドールすみだのレジェンドであるFP金川武司が現役を引退。彼がつけていた背番号3を引き継いだのが、FP春木啓佑だった。昨シーズンは全日本選手権までトップチームにいたものの、今季の開幕前には下部組織のフウガドールすみだバッファローズに降格となり、背番号も「33」をつけることになった。

悔しさを持ちながらも、前向きにトップチームへ復帰するためにトレーニングに臨んでいたが、同時に結果を出せないトップチームの試合を複雑な思いで見ていた。そんな春木にトップチーム昇格の声がかかる。リーグの登録が終わり、出場可能になったFリーグ選抜戦で、春木はいきなり先発で起用される。そして試合の立ち上がりから躍動感あふれるプレーを見せると、過去5試合でチームが一度もあげることのできなかった先制点を、キックオフからわずか2分で記録した。

Fリーグ選抜のFP北野聖夜は「先制点を取られてから相手はノリノリになって、うちは落ちてしまった」と肩を落としたように、このゴールの意味は大きかった。

チームの今季2勝目に大きく貢献した春木に、この試合の話、今季ここまでの話、そしてFP清水和也のラストマッチになることが濃厚な22日の名古屋オーシャンズ戦について、話してもらった。

以下、第6節のFリーグ選抜戦後、すみだFP春木啓佑選手のコメント
――トップチーム昇格直後のゲームで、主役の座を持っていきましたね。
春木 ありがとうございます。

――この試合にはどんな意気込みで臨みましたか?
春木 監督からも練習から「アベレージが上がってきている」と言われていて、それを評価してもらって試合に出られることになりました。

――しかも先発でした。
春木 ビックリしましたし、緊張もしていたんですけど、緊張よりも自分の持ち味を出そうという意思のほうが上回って、ワクワクするイメージで試合に入れました。

――のびのびと楽しそうでした。Fリーグ選抜の選手と話をしたら、事前のスカウティングで情報になかったぶん、ワンツーも脅威になったとも言っていました。良い復帰戦になりましたね。
春木 そうですね。チームがあまり結果を出せていないという意味でも、自分の役割としてはゴールに向かってとにかく攻撃のアクセントになろうと思っていたので。それがゴールという結果、勝ち点3につながったのは、本当に良かったと思います。

――去年の選手権までトップにいたのに、今年の開幕は背番号3が欠番となりました。シーズン序盤はどのような思いで過ごしていたのですか?
春木 去年の選手権のベルマーレ戦から見守る立場になっていて、4月からはバッファローズでした。悔しさもすごく感じていましたし、うまくいかないことも多かったので、どうしても自分であったり周りにイライラしてしまうこともありました。でも、それ以上に自分がフウガに残ったのは、成長したいという思いと、このチームで結果を残したいという思いが一番だったので。正直、自分がマイナスになることはなかったと思います。もちろん、バッファローズでずっと試合に出させてもらっていたので、それをしっかり前向きに結果を出すことにトライしてもらいたいですし、チームのケツを拭く立場にもなっていたので、そういう意味ではすごく成長もできました。だから、トップでも助けてもらうこともありますが、それ以外のところに目を向けるという点では、その経験はすごく大きかったかなと思います。

――なるほど。下でプレーして、苦しんでいる味方を見る余裕が出てきたんですね。
春木 そうですね。バッファローズの練習や試合で、そういうことを経験させてもらったことは、大きかったと思います。6月上旬にトップに再昇格する話はあって、そこからトップの練習とバッファローズの練習に参加して、2部練習でやっていました。

――選手としては良い環境ですね。
春木 そうですね。結果的に3週間やったんですけど、すごくハードで。体的にはきつかったのですが、それだけフットサルに向きあえる環境というのは、今の日本の中でなかなか与えてもらえないのではないかと思いました。本当に濃密な3週間だったと思います。

――開幕直後はスタンドで試合を見て、トップチームも勝てなくて、複雑な思いだったでしょうね。
春木 はい。そこは本当にもういろいろな思いがありました。チームの仲間も大好きなので、仲間の顔が暗いのも心苦しいですし、最後にサポーター席に挨拶をしに来てもらうとき、僕は仲間の顔を直視することができませんでした。同時に結果が出ていないときに、自分がなんとかやってやりたいという気持ちもあったので、そういうものも合わせると本当にいろんな思いがぐるぐるぐるぐる回っていて…。でも結果的にトップに上がって、結果を出せたことを考えると、あの経験もすごくよかったですし、あのときの経験があるから入ったときにやってやるという気持ちになったのだと思います。

――チームが5節までずっと取れなかった先制点を、わずか2分で取りました。しかも、その前に何度か他のチャンスもつくっています。先制点の場面を振り返ってもらえますか。
春木 (諸江)剣語くんとのシンプルなワンツーからでした。剣語くんとはずっと同じセットで練習をさせてもらっていて、ああいうボールも自分の特徴をいかしてもらったボールだったと思いますし、スペースに置いて自分のスピードを信じて出してくれました。あとはとにかくゴールに向かうことを意識していたので、もらった瞬間にGKのポジションも見えていたので落ち着いて決めることができました。

(ミックスゾーンにFリーグ選抜の三笠貴史選手が通りかかる)
三笠 岡さん(岡村康平)が動き回っていたので、カバーに行くか迷っちゃったんですよね。春くんだったのを認識できていませんでした。

――前半はやりたい放題でしたが、後半に入ると、かなり対策されていましたね。
春木 そうですね。後半はしっかりそこをカバーされていました。とにかくゴールに向かう気持ちだけはあったので、その気持ちが乗っかったシュートだったと思います。

――右サイドから左サイドネットに決まりましたが、狙い通りのコース?
春木 はい。トップの練習が終わってからシュート練習も自主的にやっていて、右サイド、左サイド、いろいろな形で取り組んでいて、練習でもそういうことをトライしながらゴールに向かっていました。そのゴールに向かう姿勢はアクセントとして認めてもらえていたので、そこでも自分はシュートが下手な選手ではないと自信を持てていたので、思い切り打つことができました。

――決めた瞬間はどんな気持ちでした?
春木 もうたまらない気持ちでしたね。実際、仲間にも言われましたが泣きそうになっちゃいましたね。積もる思いもありましたし。

――今季はチームも先制点が取れていなかったですし、あれで盛り上がりましたね。
春木 先制点がほしいと言っていた中で取れたことも大きかったですし、取った瞬間はなんていうんですかね。みんなに感謝したかったです。みんな盛り上がってくれましたし。感極まりそうでしたね。

――そのあと、追加点もしっかり取れました。
春木 そうですね。追加点が欲しい、欲しいと言っていたタイミングで2点目が取れたので、あそこで取れたのは大きかったですね。2-0というスコアで、3点目も自分たちが後半の立ち上がりに取れたことはすごく自信にもなったと思います。得点力という意味では、自分もやりやすかったですし、一緒にやっていて信じて走れる4人だったので。ミヤ(宮崎暁)が2点取ってくれてよかったです。ミヤの2点目なんて、練習でそういう形があったわけでもありません。相手がこうだからこうというのを経験がある選手はたくさんやってくれます。僕は経験がないぶん、がむしゃらさは出していきたいですし、ゴールに向かうためにセグンドに一つ入って、おとりになったところを他の選手が使ってくれたりというのも、良い意味でかみ合っていると思うので、それも続けていきたいと思います。

――この試合始まるまで、すみだは10位でした。この順位ではいけないと思いますし、実質ホームでできる2試合です。さらに清水和也選手もいなくなります。連勝したいところですね。
春木 そうですね。和也は僕がバッファローズのときからトップでやっていて、一緒にスクールコーチもやっていた時期がありました。一緒の生活リズムで、午前中に一緒に筋トレしたり、一緒にご飯を食べたりする回数もすごく多かったんです。同じことをして、一緒に頑張ってきた仲間が、明日でいなくなるという中で、明日の試合の位置づけ、モチベーションは、みんな計り知れないものがあると思います。今はあれだけ体ができあがっていますが、昔は細かったですし、細かった当時に一緒に筋トレをはじめています。アイツはどんどんでかくなっているんで。こみあげるものもありますし、勝って送り出してあげたいっていう気持ちはみんな言葉にしてないけど絶対にあると思います。あれだけ若いのに、自分の言葉に自信と責任を持ってできる選手は、なかなかいないと思うので。結果だったり、試合内容で、和也が納得できる最後にできたらなと思います。

――その相手が、首位独走する名古屋です。春木選手も楽しみなのでは?
春木 僕はプレマッチでは対戦したことはあるのですが、Fリーグの名古屋戦は初めてなので、自分の持ち味がどこまで出せるかをやってみたいです。そこで出し切るのも一つ大事だと思うので、そこで委縮するのではなく、試合に出るなら、良い意味でその試合を壊すような存在になれたらと思います。

――いきなり連戦も大変ですよね?
春木 でも、2部練もやっていたので(笑)。疲労感と強度に耐えるのは得意なほうなので、若さで……若くもないんですけど、頑張りたいと思います。

――金川武司さんも、3番が躍動して喜んでいましたよ。
春木 武司さんが引退して3番を引き継いだのに、バッファローズの33番になっていたので、そこをもう一回3番をつけるという思いでやっていたので、良かったです。

◆◆【PR】フットサル/サッカーブランド agrina◆◆

 ――もう二桁に戻れないですよね?
春木 もちろん戻る気持ちもないです。ただ自分のパフォーマンスが下がってきて、持ち味が出せなくて結果がついてこなくなれば、そういう立場にはあると思います。ケガ人が出ていることも、自分が昇格できた要因にもあったと思います。そういったことからも、自分はここで結果を出したからOKではなくて、危機感を持ってやっていかないといけない立場かなと思っているので、引き続き集中してやりたいです。もう一段階、上がれると思うので、頑張っていきたいと思います。

 

関連記事

  1. 【Fリーグ】湘南がFP高橋健、GK政野屋佑樹、FP中村章の退団を…
  2. 【選手権】府中が今季公式戦全勝の名古屋サテライトに力の差を見せつ…
  3. 【日本代表】福島合宿メンバー発表! Jヴィレッジも使用、福島出身…
  4. 【Fリーグ】府中が終盤のパワープレーで湘南に逆転勝利、再開初戦を…
  5. 【Fリーグ】浦安が退場者を出しながらもF選抜に7-2で快勝、連敗…
  6. 【Fリーグ】仙台に逆転勝利の北海道、連敗を3でストップ
  7. 【Fリーグ】プレーオフ進出の湘南、凱旋試合で神戸の猛追かわし5連…
  8. 【Fリーグ】『お祭り男』がF2開幕戦はまさか(?)のノーゴール …

日本代表

Fリーグ

海外

女子

人気の投稿とページ

Twitter でフォロー

カテゴリー

PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。