Fリーグ下部組織

【インタビュー】前神戸の山本尚希監督が神戸の下部組織で指揮を執る理由「クラブに愛を持って、一緒に闘っていける選手を育てたい」

2016/2017シーズンまで、Fリーグのデウソン神戸で指揮を執っていた山本尚希(@Naoki_futsal)氏がツイッター投稿で、神戸U-15の練習着スポンサーを集めていた(その投稿はコチラ)。

かつて日本代表で活躍した選手でさえ、Fリーグを離れると、その後、何をしているのか分からなくなってしまうことは多い。現在の山本氏が何をしているかも、ほとんど知られていないだろう。現在、神戸のトップチームで指揮を執ったこともある人物が、あらためて同チームの下部組織の指導にあたっているのはなぜか。山本氏に聞いた。

――今回、ツイッターで神戸のアカデミーを指導していることを知りました。いつからアカデミーの指導をしているのですか?
山本 そもそも指導者としてのスタートが育成年代でした。幼稚園、小学生を中心に携わっていました。もうかれこれ6年になります。

――トップチームの監督のときも、育成年代の選手たちを教えていたのですね。ただ一般的にはトップチームで指揮を執った人がアカデミーを指導するのは珍しい例だと思います。アカデミーの監督のやりがいとは何ですか?
山本 Fリーグの監督を経験したことで、育成年代の各カテゴリーに何を習得してもらおうというのが明確になりました。どうすればトップカテゴリーで闘えるのか、それを肌で感じ、落とし込みたいと思いました。アカデミーの選手は昨日できなかったことが今日できるようになっています。教えたことをどんどん習得してくれる、自分のカリキュラム、プログラムにどんどん刺激を与えてくれます、ここがやりがいですね。

――逆に難しいところはどこでしょうか?
山本 成長過程の選手たちですので、フィジカル、メンタルに同じ年齢でも違いがあります。 一人一人、違ったコミュニケーション、アプローチが必要になるので、ただ“チームを見る”という大枠を捉えるような概念では携わることができません。

――実際に指導してみて、若い選手たちの能力はいかがですか?
山本 年々技術の向上が見受けられます。僕たちの年代では海外のサッカーやフットサルを目にすることができませんでしたが、現代の子供たちはレベルの高い試合を観る機会が多く、色んな情報を得ています。
ただ、コミュニケーション能力、認知力、判断力、決断力、これが乏しい。ここが欠落してしまっては人間力が低下します。色々なことを考え、人と関わり、物事の本質を見極める選手にならなくてはなりません。トップカテゴリーでもこういったことが欠ける選手は多く、成長過程に重要なものを得ることができていないと感じます。

――現在、神戸のアカデミーには、どういう若い選手が集まっているのでしょうか?
山本 2017年4月にスタートし、まだ選手は20人程度しかいません。私は主に中学生に携わっていますが、フットサルとサッカーを並行して学ぶ選手、Fリーグを目指し、フットサルを専門的に学ぶ選手、目指すものはないが、ただボールを蹴ることが好きで通う選手と様々です。ボールを扱う技術はありますが、コミュニケーションを取るのが苦手な選手が多いと感じます。 現代にはよく見受けられる光景かもしれません。

――練習では、どのようなことに取り組んでいるのでしょうか?
山本 挨拶、返事、伝える、聞く、理解する、考える、判断する、決断する。これができれば放っておいても勝手に上手くなります。社会に出て、どんなことに関わっても立派に対応できる人を育てているつもりです。選手それぞれの未来を預かっていますので。

——今後もFリーグ下部組織に入りたがる選手は増えると思います。最低限、身に着けておいてほしいことは何でしょうか?
山本 人に感謝する、人の為にプレーする気持ちを身に付けておいてください。一つの試合を開催するために、どれだけの人が関わり、どれだけの人が応援してくれているかを知り、その人たちのために、感謝の気持ちを持てる人間性を身に付けておいてほしいです。プロになる自覚は持てばいいけど、勘違いはプロの選手に必要ありません。

——山本さんはツイッターで、練習着のスポンサー集めをしていますが、経営にはどれくらいお金がかかるのでしょうか?
山本 ほとんどが練習場の利用料です。あとはリーグ戦、カップ戦の出場費用、選手が経験を積む機会も多く必要です。ボール、ビブス、コーン、マーカー、備品もちろん、選手を募集するチラシの作成費など、年間約170万が経費になりました。ここに本来、指導者を雇うお金が必要ですが、私は監督業で報酬を得ていませんので、成り立っていません。本来なら倍以上の費用が必要ですね。

――しっかりフットサルで生計を立てられる人を、フットサル界はもっと増やせるようにしないといけませんね。指導者としての今後の目標を教えてください。
山本 僕はフットサルというスポーツとデウソン神戸というクラブに人生を変えてもらいました。 指導者として学び、フットサルを一人でも多くの人に伝え、デウソン神戸をアジアナンバーワンのクラブにすることが目標です。この目標を成すために現在を進んでいます。

――なるほど。期待しています! 最後にどんな選手を育成していきたいかを聞かせてください。
山本 デウソン神戸はFリーグが始まってから10年が経っても、下部組織が何も構成されていませんでした。下部組織に地域の選手が入り、その選手の家族がクラブを知り、友人が知り、大きくなり、地域に広めてくれる。そうした地元出身の選手がいるからこそ、地域はチームを応援してくれ、さらに関わる人が増えていく。そうして連鎖するものです。ホームゲームに200人しか来ないクラブは、時間をかけて改革しなくてはなりません。クラブに愛を持って、一緒に闘っていける、そんな選手を育成したいと思います。

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