Fリーグ

【インタビュー】慶應大ソッカー部 四戸紀秀監督「サッカーとフットサル、二刀流の挑戦」(前編)

 Fリーグの2019-20シーズンが、いよいよ25日、26日に開幕を迎える。25日の開幕戦の前に、注目のカードが組まれている。早稲田大学ア式蹴球部と慶應義塾体育会ソッカー部によるフットサル対決だ。

 慶應義塾体育会ソッカー部は、2年半前にソッカー部内にフットサル部門を立ち上げ、週に一度、フットサルのトレーニングを行っている。2018-19シーズンには、全日本大学フットサル大会準優勝、関東大学フットサルリーグ優勝、地域大学フットサルリーグチャンピオンズカップ準優勝という結果を残している。

 34名のフットサルメンバー(ソッカー部員の有志メンバー)のなかには、サッカーでもトップチームでプレーしている選手や来季以降にサッカーでも中心選手となっていくことが期待される1年生が数多く入っている。「サッカーとフットサルの相乗効果の追求、フットサル大学日本一」という2つの目標に向かって、大きく前進しているのだ。

 慶應大ソッカー部が、どのような過程でフットサルを本格的に始めるようになったのか。そして、指導しているなかでどのような感触を得ているのか。四戸紀秀監督にインタビューを行った。

以下、慶應大ソッカー部フットサル部門 四戸紀秀監督インタビュー

――慶應大ソッカー部が、フットサルに取り組みはじめたきっかけは何だったのでしょうか?

四戸 フットサルは2年半前に始めました。関東大学フットサルリーグが始まるということで、プレ大会に手を上げて、部内で組織しようと始めました。そのタイミングでソッカー部OBであり、競技フットサル経験者の私がオファーをいただき、指導することになったんです。本当に突然のお話だったので、1年生のDチームで全くサッカーの試合で出番がない選手たちのなかから、当時の慶應大ソッカー部の監督だった須田芳正(元フットサル日本代表選手、元フットサル日本代表コーチ)さんが選手を選び「このメンバーで来月から頼みます」というところからスタートしました。「いくら体育会でも、いきなりやったら戦術的についていけないからやられますよ」という話をして、最初に慶應大のフットサルサークルであるエルレイナさんに練習試合をしてもらいました。ボコボコにやられたんですよね。そこからいろいろなトレーニングをし始めたのが、2年半前くらいのことです。

――そこから短期間で結果を出していますが、1年目に活動している姿を見て、2年目からはフットサルをやりたいという選手が増えたのでしょうか?

四戸 1年目は関東大学プレリーグ2016で1年間で3勝しかできずに8位でした。2年目に入る時、トップチームにいた桐蔭学園出身の井出悠介が「やりたい」と手を挙げて入ってきてくれたんです。一人だけ群を抜いて技術レベルの高い子が入り、そこから須田監督から「フットサルで揉んでほしい」という選手を強化指定選手という名目で、トップチームやBチームからも集めることになりました。それによって2年目でレベルが上がりました。
 ただ、強化指定で来た子は難しいところがありまして、昨年の4年生だった宮川大史なんかも「なんでフットサルをやらないといけないんだ」というところから始まる子もいるんです。それでもやっていくうちにフットサルにハマってくれて、サッカーでもトップの試合でリーグ戦に出ましたし、フットサルでも活躍してくれました。卒業後もフットサルの道に進んでくれましたからね。

――どちらに進んだんですか?

四戸 フウガドールすみだバッファローズです。

――めちゃめちゃフットサルやる気になってるじゃないですか(笑)。

四戸 はい(笑)。バッファローズには今年、ミヤ(宮川)のほかにも、順天堂大学フットサル部ガジルに所属していた石崎尚くん、多摩大学体育会フットサル部の米田圭孝くんを獲得してくれたので、同じ大学仲間で活躍してくれたらなと思っています。
 話を戻しますが、慶應大ソッカー部は一昨年のリーグ戦では優勝争いをするところまで行ったんです。9勝1敗だったのですが、得失点差で順天堂大ガジルと多摩大がKOBE CUPに行き、うちは行けなかったんです。そして昨年は、中畝楓流というトップチームレベルの子が手を挙げて入ってきてくれました。柿沼亮祐ら、スタッフから推薦のあった選手も入ってきてくれましたし、また1年目、2年目からやってきた選手たちがブレイクしてくれているのもあります。

――今年のチームは良さそうですね。

四戸 そうですね。ただ、トップチームに入り関東大学サッカーリーグの試合にコンスタントに出るようになると、今度はフットサルの活動に来ることが難しくなります。私個人としては難しいところなのですが、フットサル経由でブレイクしてくれれば、それはそれで嬉しいことです。
 今シーズンは、またコンセプトが変わり、「新入生の期待どころをフットサルで鍛えよう」ということで、今年の新入生でフットサル部門に入った選手は、スタッフ推薦の選手が多いです。国学院久我山で10番を付けていた宮本稜大、桐蔭学園高のエースだった瀬賀凜太郎といったサッカーでもそのうちトップの試合に出るだろう選手たちが入っています。今後はそういうスタイルで行くと思いますが、新入生の有望株を体が太くなるまでフットサルでも鍛えて、2年、3年になる頃には、トップチームに送り込めるようにしようとしています。

――その年齢の選手たちだと、AFC U-20フットサル選手権に出られる可能性も出てきますね。

四戸 残念ながら今年の新入生には早生まれがいないので、来年の新入生から2022年の大会を目指す子が出てきてくれるといいなと思っています。

――今回、どのような経緯でFリーグの前座試合を行うことになったのでしょうか?

四戸 Fリーグさんから「開幕戦で早慶戦をやりませんか?」というお話をいただきました。我々もいつかはフットサルの早慶戦をやりたいと思っていたので、お話をいただいて、是非お願いいたしました。すごく良いステージをいただけ、本当に感謝しています。

――早稲田大のキャプテンの大桃海斗選手は、高校時代にバルドラール浦安の石田健太郎選手と同じく帝京長岡高校でU-18フットサル選手権にも出場していました。慶應大には、大学に入る前にフットサルをやっている選手ってどれくらいいるのですか?

四戸 1年生と2年生に一人ずついますね。2人とも神奈川のU-18の選抜に入り、全国大会に出ています。一人はアズヴェール藤沢、もう一人はエスタジオ横浜から来た選手です。

――生徒たちのなかには「ソッカー部に入ったのに、なんでフットサルもやるの?」という選手はいないのですか?

四戸 いますよ。1年次からフットサルを始めた立石修也(3年)は当初、二刀流に乗れていなかったんです。彼は1年生でソッカー部に入った時に、フィジカルは強いものの使い勝手が良くなかったんです。同時期に私が「ピヴォができそうな新入生はいませんか?」と聞いた時、Dチームのスタッフが推薦してくれたのが彼でした。ソッカー部には選手ブログというのがあるのですが、彼が書いたブログにはやりたくなかったとはっきり書いてあるんです(笑)。
 立石はフットサルに来た1年目は鳴かず飛ばずで、迷い犬のようにどこに動けばいいのか分かっていなかったんです。それが2年目に何かをつかんで、急にフットサルでも良くなりましたし、サッカーでもブレイクして、3年生になった今ではトップチームになり、関東大学サッカーリーグで先発出場したり、ベンチ入りしたりするくらいになったんです。
 彼のブログに書いてあったことが、「まさしく!」というところで、フットサルは足技のスポーツだと思われがちですが、実際にはフィジカルや体のぶつけ方、ポジションの取り方、一歩二歩、横にポジションをズラせるかで変わってきます。そこに彼は気づくことができたのでしょう。それはサッカーに共通することですし、そういうところは他のチームに負けないようにしようと言っています。

体育会ソッカー部フットサル部門(立石修也)のブログ 2018年6月7日

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後編へ続く
【インタビュー】慶應大ソッカー部 四戸紀秀監督「サッカーとフットサル、二刀流の挑戦」(後編)

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