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【全日本女子選手権】なぜ3点リードの展開で、ビークスのオスカー監督はパワープレーを仕掛けたのか

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FPの選手がGKのユニフォームを着て、実質5人の選手がFPとなって攻めるフットサルのパワープレー。多くの場合は負けているチームが、形勢を逆転するための最後の手段として使う。また、カザフスタン代表や昨季のシュライカー大阪のように、自分たちよりも格が上の相手と対戦する際に、攻撃に変化を付ける手段として用いられることもある。

 

いずれにしても、リードを奪っているチームが使うことは珍しい。だが、ビークス・トーキョー・レディース(東京)対ファンレディースフットボールクラブ2009(宮城)の試合では、3点をリードしていたビークスが、パワープレーを開始した。

 

このパワープレーには、どういった意図があったのか。連戦となるため、スタミナを温存したいのであれば、数的優位の状況でリスクを冒してシュートを打ちに行きはしない。しかし、ビークスはゴールを狙いに行っていた。

 

FP小出夏美は、「これからの3試合に向けて試しました。パワープレーをしてから2点を取れたので、良い雰囲気に持って行けるんじゃないかなと思います」と、結果が出せたことで自信が持てたと話す。おそらく、今後ビークスと対戦するチームは、スカウティング用に映像を撮っていただろう。オスカー監督は、それを承知で、あえてパワープレーを試したというのだ。

 

確かに、余裕のある試合展開でパワープレーを試しておくことができたのは、今後の戦いにも大きなメリットがあるだろう。ミックスゾーンで小出の話を聞いた後、自動販売機に飲み物を買いに行ったところ、オスカー監督がポツンと一人で座っていた。着替えに行った選手たちが戻るまで、待っているのだという。

 

せっかくだったので、監督にも聞いてみた。あのパワープレーには、どのような意図があったのか。

 

すると、あるゴールがきっかけだったと、オスカー監督は話した。そのゴールとは、ビークス対ファンレディースの試合で決まったものではない。その隣で行われていたSWHレディース(兵庫)とサフィルヴァコルミージョ(北海道)の試合で、SWHが決めた3点目だったという。

 

「SWHが2-1だったら、このままでもいいかなと思っていました。でも、SWHが3点目を取って得失点差が離れそうだったので、より多くのゴールを取るためにパワープレーを仕掛けました。明日のSWHとの試合で、引き分けでも、決勝ラウンドに進めるようにしておきたかったからね。結局、1点足りなくて2位になったけど、それはしょうがない。やることはやったから、あとは勝ちに行くだけですよ」

 

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名古屋オーシャンズの初代監督の『2試合を終えて首位に立っておく』という狙いは実現できなかった。それでも、得失点差ではSWHレディースをしっかり捉え、チームには『パワープレーは通用する』という自信が残った。おそらくSWHとの試合終盤、イーブンな状態であれば、オスカー監督は仕掛けてくるはずだ。この試合でパワープレーを試したことが吉と出るのか、凶と出るのか。その一つ目の答えは、そのときに出るだろう。

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