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【選手権】公式戦3年ぶりゴールの湘南FP久光重貴 「試合の出方が確立されてきた」

湘南ベルマーレは第22回全日本フットサル選手権の1次ラウンドで3連勝を収め、決勝ラウンド進出を決めた。15-0と大勝した東温ケイルース(四国)戦の後半4分には、FP久光重貴が公式戦で3年ぶりとなるゴールを記録している。現在も抗がん剤治療を続けながら、トップレベルで戦い続けている久光に3年ぶりの公式戦ゴールの感想を聞いた。

 

以下、名古屋戦後 湘南ベルマーレFP久光重貴選手のコメント

――全日本選手権の1次ラウンドを振り返ってください。
久光 個人のことで言うと、3日間、チームに帯同できたところは良かったですね。

――がんの治療を始めてからは、アウェーの遠征にはあまり行っていませんでしたね。
久光 いまも夜は1日1回、抗がん剤を飲んでいるので、疲れやすくなっています。どうしても寝る時間が増えてしまうので、3連戦で同じ行動ができるかは心配でした。それでも、無事にみんなと帯同できたので良かったです。

――できることが増えてきた感じですか?
久光 去年もチームには帯同していたのですが、試合に絡むことはありませんでした。今年は去年よりも試合に絡めていますし、その点では去年より一歩進んだかなと自分の中で思っています。

――治療の効果も出ているのでしょうか?
久光 慣れてきたこともありますし、試合の出方が確立されてきたことが大きいですね。去年までは、3分間という時間の目安でやっていましたが、カウンターの数が増えてしまうと、どうしても交代するときにギリギリで、ベンチに戻ったら座り込むような状況でした。でも、今年は時間が設定されていて、1分間の出場時間の中で精一杯やって、ベンチに戻ってきて休んで、再び試合に出られる状態をつくっているため、体の負担もそんなに大きくありません。3分間出場して、ギリギリまでやり過ぎてしまうと、次の回復までに時間がかかってしまいます。そうなると、2回目に出たときのプレーのクオリティが下がってしまう。「出ている時間は、他の選手と変わらないプレーをしてくれ」と監督にも言われていますし、1分間の中ではしっかりとやり切らないといけないと思っています。

――その1分間という短い出場時間の中でゴールを決めました。どのような感想を持っていますか?
久光 Fリーグでゴールを決めることが大きな目標だったので、全日本選手権で決めたというのは、正直な話、自分の中でしっくり来ていないところがありました。ゴールを決めたことは自分自身うれしいですし、何よりみんながすごく喜んでくれたことがうれしかったです。15-0の試合の9点目で、チームもゴールが入るのに慣れてきたところの1点でした。あの時間帯は、みんなもゴールを決めて喜ばなくなってきていましたが、僕のゴールが決まったときは喜んでくれたのでうれしかったです。

――3月11日の試合でゴールというのも、意味のあることでしたね。
久光 試合の日(東温戦)の当日の朝、散歩に行く前にテレビを見ていたのですが、震災の映像が流れていていろいろなことを思い返しました。朝食を食べたりしていても、そのときのことが1日、頭から離れなかった。震災から6年が経って、自分の6年前のことを思い出しましたね。あのときは、まだ骨髄炎の治療をしていました。地震が起きたときは代々木体育館にいたのですが、自分ひとりでは動けない状態でした。あれから6年が経って、あらためてプレーができることを幸せだなと思って試合に臨みましたね。当たり前のようにピッチに立つことを感謝しながら、ピッチに立てることは奇跡的なことなんだと思い返しながらプレーしていました。

――そういう思いもあったから、ゴールが決まったのかもしれませんね。
久光 そうかもしれませんね。ゴールは、ハーフラインくらいで相手にプレスをかけられたのですが、そこに体を当てたら入れ替わるような感じになり、数的優位の状態になったんです。僕の左側には安嶋(健至)がいて、中に入ってくる動きをしたので、そこにパスを出しました。安嶋が岡村(康平)に当てて、岡村から落としてもらったボールをシュートしたんです。3対2の状況になって、連係で崩したゴールでした。

――これまでの試合ではベンチでアップするとき、久光選手の写真を意識的に撮っていました。でも、最近はピッチに立つことが多いこともあって、久光選手がアップしている姿を一枚も撮りませんでした。いま、「しまったなぁ」と思うと同時に、普通の選手と同じ扱いをしていることを嬉しく感じています。
久光 ユニフォームを着て、ピッチに立っているところの写真をいろいろな人にいただくのですが、それを見ると嬉しい気持ちもあるのですが、『あと何回、このユニフォームを着られるかな』と冷静に考えてしまう。これからも何回も、このユニフォームを着る機会があるのかもしれないけど、最後になったときはどう感じるのかな。甲斐(修侍)さんの町田での最後の試合を見に行ったのですが、『すごいな』と感じましたね。

――どういうふうにですか?
久光 あの場面で、あのアシストを決めたりとか。やっぱり、まだまだやれるのになっていう感じと、自分も含めて、若い選手にいろいろなことを伝えてきてくれたことをすごく思い出しましたね。

自分の最後の試合は、どうなるかな? 今シーズン、ホーム最終戦のデウソン神戸戦でゴールを決めていたら、満足して辞めようと思ったかもしれません。それがどのタイミングになるかはわかりませんが、自分がやるべきこと、求められることがあれば、やれる限りはやりたい気持ちもあります。

でも、もし、ピッチ外のことで自分の進むべき道が見つかったら、そっちに行くかもしれません。ピッチに立つ意味、ゴールを決めたときもそうでしたが、みんなが喜んでくれて、『やっぱり、この瞬間は気持ちいいな』と思いました。3年ちょっとゴールから遠ざかっていたので。最後にゴールを決めたときは、まだ澄さん(相根澄)が監督を務めていたときで、府中のアウェーゲームで、小野(大輔)くん、市原(誉昭)さん、(岸本)武志くん、自分というセットで、自分が最年少でしたね(笑)。小野くんのアシストから決めたゴールだったので、小野くんが湘南にいた一昨シーズンは、「もう一度、復帰戦で小野くんのパスからゴールを決めたい」と言っていました。決められませんでしたけどね(笑)。

――今年の全日本選手権に話を戻します。湘南は、代々木に帰ってくることができました。代々木で全日本選手権を戦うことも感慨深いのではありませんか?
久光 今のチームが、どれだけ大阪とやれるのかは、楽しみですね。僕自身は帯同できなかったのですが、リーグ戦の最後にアウェーで大阪と戦って、後半はすごく良い試合ができたと聞いています。今の勢いを持って、しっかりと一人ひとりがやるべきことをやれたら、良い試合ができるんじゃないかなと思います。
これはチームメイトにも話したのですが、この前の町田と大阪のプレーオフ・ファイナルを見ていて、あそこまで町田が大阪を追い詰められたのは、勝ちたいとか、負けたくないという気持ち以上のモノを持って臨んでいたからだと思いました。あの試合、あの時の町田は、ここに行かないといけない、連勝しないといけないというオーラがすごく出ていて、チームが一丸になっていました。「勝てるかな」とか、「負けたくないな」とか、そんな中途半端な気持ちではなくて、「絶対に甲斐さんを優勝させたい」「(森岡)薫くんを10連覇させるんだ」という気持ちが伝わってくる試合でした。そういう想いを湘南の選手も持つことができれば、良い方向に転がっていくんじゃないかなと思いました。この前、名古屋に勝ったことで、選手たちは良い意味で自信になったと感じました。

――名古屋戦も1点差でしたが、内容は素晴らしいものでした。
久光 前半も、ほぼこちらの狙い通りにできました。これを継続しないといけません。

――代々木の試合には、久光選手を見に来る人も多くなると思います。
久光 そうですね。決勝ラウンドに向けてしっかりと調整して、頑張ります。

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