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【F1】第3クール未勝利の北海道 小野寺隆彦監督「いつバトンタッチをするかという時期は、見計らっているところ」

[2.11 F1第33節 大分 4-4 北海道 駒沢屋内]
エスポラーダ北海道がFリーグに昇格して10年。ずっと指揮を執ってきたのが、小野寺隆彦監督だった。クラブのOBであり、頭の回転が早く、人当たりは抜群に良い。クラブの看板を背負って対外的な活動をするのに、これ以上適した人材はなかなか見つけられないだろう。ただし、ピッチ内では結果を残せていない。今季の北海道は、開幕直後こそ3連勝したが、その後は失速。成績不振を極めたアグレミーナ浜松に助けられる形で、F1残留を決めた。
Fリーグ10年目の節目を迎え、そろそろチームは決断を下すときが来たのではないだろうか。会見後には、クラブの強化担当でもある小野寺監督に、北海道の今後をどのように考えているのかを伺った。

以下、試合後の記者会見での北海道・小野寺隆彦監督のコメント
――今日の試合を振り返ってください。
小野寺 今日は最終戦でした。1年間、お世話になりました。今年は成績が振るわず、厳しい状況の中、一昨日の試合で勝ち点を取って、最下位を免れることを目標に戦いましたが、勝つことができませんでした。この試合を前にF1残留は確定していましたが、「何としても勝ち点を取って11位にならないと、ここに来た意味がない」という話をしましたし、気持ちのこもった試合をしてくれたと思います。
組織として至らないところ、出来上がっていないところがあるのは、見ているみなさんもご存じだと思います。しかし、このなかでもしっかりとパワープレーで得点を挙げ、それをしのぎ切る。勝ち点1を取りきれたのは、選手たちの頑張りのおかげだと思っています。
この後、全日本選手権もありますし、これでチームが終わるわけではあありません。高尾で下を向かずに、これからも戦っていかなければいけません。うちのチームは今年、勝つことはできませんでしたが、将来、可能性のある選手たちがたくさんいると思うので、彼らの成長を信じながら、エスポラーダらしい良いチームができるように成長させていきたいと思います。ありがとうございました。
――苦しいシーズン、震災などもあったが。今季は北海道にとってどんなシーズンだったか?
小野寺 ベテランの水上を筆頭に、チームが飛躍的に伸びているかと言われると、そうではないと思います。ベテランも体力的に苦しいですし、若手がごそっと入って経験値がない選手たちがピッチのなかで、戦い始めました。勢いに乗れば開幕直後の3連勝という、みなさんの予想を覆すような戦いもできたと思います。3連勝については、マグレ的なところも正直、感じていましたが、シーズン途中の勝てないところで、どう踏みとどまるのか。苦しいときに、どうしたら打破できるのかと、よく質問を受けましたが、返す言葉もないくらい、チームの明るい兆しを見つけるきっかけを見つけられませんでした。
それでも、一番誇れるのは、気持ちを切り替えながら、負けても、負けても、勝っていたシーズンのときよりも、選手たちが前向きにやってくれたことです。彼らが今後、北海道を支えてくれるという手ごたえは、かじることができました。
震災の影響で、選手たちも北海道のために戦うのが、こういうことかと知ったシーズンだったと思います。
何より大事なのは、北海道のサポーター。観客動員数は、胸を張れるチームです。そのチームがF2に落ちることだけは、なんとしても回避したかったですし、それに向かって選手たちも必死に、もがきながら戦ってくれました。それはチームの財産になると思いますし、チームは必ず成長してくれると思っています。
――結果は出なかったが、北海道という地域は、能力のある若手が出てくる土壌があります。どうしてそういう選手が出てくると感じているか?
小野寺 北海道リーグを頂点として、さまざまな年代の大会などもありますが、そういう育成年代は、ちょっと下火になっているのは事実です。ただ、僕たちは小学校のU-12、中学校のU-15のカテゴリーまでは、冬の間にフットサルをして、全国を目指すような大会もある。U-18(高校)年代になると、指導者によってはフットサルをしない場合もありますが、U-15くらいまでは、どのチームもフットサルをやっています。何より、僕たちのホームゲームを見に来てくれます。子供の年代でフットサルが浸透しているのは間違いないですし、高校の年代でやらなかった子も、そのあとでもう一度フットサルをやろうとセレクションを受けに来ます。
北海道の本当にトップレベルの選手たちが集められているわけではないので、そこをどう引き込むかは、これからの課題です。ただ、競技として浸透をしていて、子供のころからプレーしてくれているのは、大きなアドバンテージだと思っています。

以下、会見後の囲み取材
――会見でも話がありましたが、北海道には、すごく良い選手が輩出される土壌があります。北海道の選手はフットサルに慣れていますし、その点で第3クールを未勝利で終えたことには、コーチングスタッフに大きな責任があると思います。
小野寺 そうですね。
――Fリーグ選抜の選手たちは、環境も良かったですが、すごく成長しました。北海道は、スペインのサッカークラブのアスレティック・ビルバオのようになれると思うんです。地元の選手で戦い、力のある指導者が彼らを伸ばす。この順位にもかかわらず、これだけお客さんを集められている北海道は、Fリーグの今後を左右するクラブだと思います。そこでGMを兼任している小野寺さんに、今後どういうプランを描いているのかをうかがいたいんです。
北海道からも良い選手は日本代表合宿に呼ばれています。でも、そこで北海道と日本代表のやっているフットサルがあまりにも違い、より成長するために移籍してしまうことが続いています。それで北海道に良い選手が残らない。そういう悪循環ができてしまっています。これを回避するためにも、北海道は良い指導者を迎えるべきだと思うのですが、その点はどう考えていますか?
小野寺 やはり将来的な展望の中では、このまま僕が仮に(監督を)続けても、辞めても、仮にうちで育った選手がライセンスを取って、指導者をやろうとしても、この状況を変えるのは多分、厳しいだろうと思います。僕がというわけではありませんが、チームをつくった子たちが、戦術的にプレーしていない子たちが、指導者になったから一気に変わるかというと、そうではないと思うんです。ディテールの部分は、絶対的に埋まらないものがあると思うので。外に出ている、ほかの選手たちが、指導者になるということであれば、そこが埋まる可能性はあるかもしれません。エスポラーダを出て、ほかのクラブでプレーしている、関口(優志)だったり、室田(祐希)だったりとか、違うところで学んだ人がやるとなれば、またちょっと変わるかもしれません。
――外から指導者を連れてくるのは、現時点ではクラブとして経済的に難しいのですか?
小野寺 そうですね。予算的には、難しいと思います。大体、多くの皆さんのサラリーの部分も聞いたりしていますが、そこまでにたどり着いてはいないので。ただ、ここまで10年、何とか過ごしましたが、次の10年に向かってはいろいろな視野を持って、クラブにも提案をしながら進めていきたいと思っています。
やっぱり、よく皆さんから「外国人選手を一人でも取った方が良い」とか、「指導者を取った方がいい」とか、いろいろな話を聞きます。ここは僕の一存だけではどうにもならないところですが、先ほど言われたように僕もアスレティック・ビルバオをイメージして、エスポラーダ北海道を北海道出身者で強くしたいという思いが当然あります。いろいろと試行錯誤をしながらも、これからも進めていかないといけないと思っています。
――来季の体制については、そろそろ話している時期ですよね?
小野寺 そうですね。金井コーチも育ってきていますし、そういう人たちに、いつバトンタッチをするかという時期は、見計らっているところです。いつまでも僕もずっとしがみついているつもりは……結果のある世界ですからね。
――もちろん小野寺監督の対外的な能力は、クラブにも重要だと思います。地域での活動、震災後の活動については話を聞きました。そうした活動を総監督というような立場でやって、例えば引退したOBの神敬治さんとか、他クラブで経験のある人を監督に据えて現場を任せるとか、そういうことも考えていいのかなと思います。しっかりフットサルを教えられる人が来れば、北海道から選手が流出していくのも抑えられるのではないでしょうか。
小野寺 もちろん、いまおっしゃったとおり、神とか、上貝が指導者の資格を取りながら、トップか育成かは別として、将来のエスポラーダを支えていく指導者になっていくことも考えて活動してくれています。あともう少しの辛抱だと思っていますし、僕も今シーズンはそこをしっかりつないでいかなければいけないという強い思いでしたから、なんとかかんとか凌ぎきっただけのシーズンになりましたが、もちろんクラブを愛していますし、このクラブが成長して、プレーオフに出られるくらいのチームを作り上げたいという思いはあるので、いろいろと考えながら進めていきたいと思います。
――大分が良い例だと思います。選手の補強もありましたが、2017/2018シーズンは最下位だったのに、伊藤雅範監督が復帰して中位にまで上がりました。北海道は開幕3連勝できるような、ポテンシャルのあるチームですし、それこそ今年の大分のようになれると思うのですが。
小野寺 そうですね。可能性は、あると思います。また来季は、Fリーグ選抜でプレーした彼らが順調に戻ってくる予定ではあるので、そういう意味ではまた経験値の上がった選手がくるのは大きいと思っているので、前向きに捉えています。
――逆にFリーグ選抜に送り出す選手は?
小野寺 いないですね。基本的にいません。
――序盤に3連勝もあり、2位も狙える時期がありました。そのあと、ずるずると後退した理由はなんだったのでしょうか?
小野寺 やはり失点数が、順位表を見てもらってもわかると思いますが、ばたばたと失点して、守ることができないことが起きてしまいました。GKをどちらに交代しても、全然、そこがとどまらないというか。修正しきれないところがありました。決してGKのせいにするわけではありませんが、でも、GKの役割が大きいことはあらためて感じました。僕自身もリフレッシュ研修でGKのキャンプで研修を受けましたが、FP出身だとGKのことは、なかなかわかりません。でも、世界のGKとか、サッカーも含めて、どんなところが重要かというと、うちのGKは2人とも足りないところが多すぎたのが、事実だと思います。ここに坂が戻ってきたとき、Fリーグ選抜でトレーニングを積んできたので、またそこが安定してくると、ひょっとしたらFPの雰囲気も変わってくるのかなと期待もしています。
――直近の3シーズンの結果を見ると、9位、10位、11位です。小野寺さんがチームを作り、金井さんが戦術担当で、その体制の刷新は考えているのでしょうか?
小野寺 もちろんあります。ありますよ。これが最終決定かどうかは、今後の問題になりますが、もちろんチームを見直さないといけないところに来ているのは、理解しているので。はい。今、多くはしゃべれませんが。
――長くやるのが難しいなかで、10年やってきたのはすごいですよね。
小野寺 これはすごいというのか、自分でやりたいと立候補しているわけではないですし、クラブに求めてもらって、自分が受ける立場なので。どんなに成績が悪くても「やれ」と言ってもらえているのは、大変、僕にとっては幸せな話です。その責任をもった行動だけは絶対にしているつもりですし、それで「つらい」なんていうことは何もないので、常に前向きに取り組んでいます。ただ、結果はこの通りなので、僕自身も大きな反省はすごくあります。苦しいのは十分に分かっています。でも、ここを乗り切った結果、きっとまた強いチームが出来あがっていくと思います。なんとか、かろうじて11位になって、来季もF1で戦えるので、今、ご質問いただいたことも踏まえて、来季にしっかりつなげていきたいと思います。

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