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【Fリーグ】仙台からフットボール界を刺激するFP荒牧太郎 「毎年毎年、本気で勝負しています」

8.5 F18節 仙台 2-6 大阪 ゼビオ]
Fリーグ・ディビジョン15日、第8節を各地で行い、ゼビオアリーナ仙台ではヴォスクオーレ仙台とシュライカー大阪が対戦した。試合は6-2で大阪が勝利している。試合後の記者会見では、ホセ・フェルナンデス監督がチームを評価した一方、キャプテンのFP荒牧太郎はあえて苦言を呈した。

以下、大阪戦後の仙台FP荒牧太郎選手のコメント
――今日の試合の感想をお願いします。
荒牧 
監督とは全く逆の意見をあえて言おうと思います。大阪はもちろん素晴らしいチームで、本当に少ないチャンスをものにしました。僕らもチャンスを作れたのを決められないのは、毎試合、毎試合そういう反省を監督の口からも言われています。僕らができることは、来週の次の試合に向けて絵トレーニングを積むしかない。大阪も名古屋も同じことです。ではなぜ差がでるのか。練習に対する取り組みの姿勢の部分、今日はみんな悔しそうにしているし、頭を下げて、ミスした選手は気にして元気をなくします。たとえば、明日、来週、週明けに練習して、監督から厳しい要求されれば、今日の悔しさを忘れている選手が多いのも事実だと思います。それは強いチームと、弱いチームの差。練習の中から高い意識、インテンシティでできていれば。大阪は素晴らしいチームですし、良いプレーができないのはあったが、もっと練習から普段できていればという悔しさはあります。

――座って話しましょうか。疲れてませんか?
荒牧 疲れましたね。

――試合に出ている時間、長いですよね。
荒牧 もちろん長いですが、しょうがないですね。

――日本ではすみだ、浦安に続き、3クラブ目となる仙台はいかがですか?
荒牧 すみだはまだFリーグ入りしていませんですが、そうですね。仙台は、いいですよ(笑)。いろいろなところで言っていますが、Fリーグは関東だけでやっているわけではないし、いろいろなことを感じられます。土地のことも、こういうチームがFリーグのチームとしてあることも知ることができています。僕は日本のサッカー、フットサルの強化、発展に貢献したいという思いがすごくあるので、来てよかったです。一昨日も、(鈴木)隆二さんとかと話をして「仙台に太郎が来たのは、ピッチ内外ですごく意味があることだね」って言っていただきましたが、それは僕も感じています。

――浦安では若手から「荒牧選手が練習で怖すぎる」という声もあがっていたし、チームでの周期が終わっていたと思います。今季、浦安は結果が出ていないものの、良い面が出ていますし、双方に良かった移籍になったなと見えています。
荒牧 前のチームに関していえば、(星)翔太と僕と(高橋)健介さん(当時・監督)がいて、当たり前の部分が全然違い過ぎました。彼らもある程度の経験があるぶん、そういうのに受け入れられない部分もあったと思います。だから、僕も同じように感じています。ここだとピッチの中を変えたいとすごく思っていたので。こっちに来て本当に必要なパーツになれていると思います。でも、浦安とかほかのチームでの経験も今、すごく生きているので、楽しくやっていますね。

――今日の試合を見てもキーマンになっていますが、シュートは減っていますね。
荒牧 それは正直、押し込めるシーンがないので打つ機会がないのはあります。だからシュートは減りましたね。CKも一人しかいないから、外から見ているアルトゥールにも「太郎のシュート、太郎のシュート」と警戒されていますし、セットプレーで打てる機会も減っています。例えば、翔太が深みを出して落としてくれたのをシュートするとか、そういうことが今はないので、後ろから長いパスを供給して、そっちでフィニッシュしてもらう形が増えちゃっていますね。

――とはいえ、8試合で3得点なのでゴールの割合は減っていません。
荒牧 ただ、僕としてはもっと取りたいです。去年がちょっと少なかったですし、もう少し取らないと、チームが勝ち点とれないので。

――確かにこれまで以上に仙台では点も求められますね。
荒牧 そうです。少ないチャンスを決めきることは、すごく重要です。アルトゥールとも仲良くて話をしたりもするんですが、彼も基本的にはずっと後ろにいて、ちょっとレベルが違うので話は違うかもしれませんが、あの人が出てくるときは、得点のにおいがするじゃないですか? そういうゲームを読む力、少ないチャンスを決めきる力は、年下ですが、すごく勉強になるので、すごくそういうのを含めて楽しいです。

――仙台のレベルアップに関してですが、クラブとしての取り組みを見ると、良い方向に進んでいるように見えます。
荒牧 今までの数年は、クラブ内のゴタゴタもあったと思います。今年から本当にクラブが整って、これを大きくしていこうということで声もかけてもらいました。いろいろな意見を聞いてくれます。僕は契約をする段階で、「引退してからは指導者より、クラブとか、リーグにかかわることに興味があるので、そういう活動もしたい」という話もしているんです。その辺で気づいたこと、浦安でやっていたけどこっちでまだやっていないこと、こっちだからこそできることも、結構言っています。「選手が出たときに話が進みやすいときは、僕を使ってください」とも言っていますが、本当にこれからだと思います。すごく可能性に満ちたクラブだと思います。

――U-18選手権ができるくらいのアリーナが、近距離にありますしね。
荒牧 すごいです、本当にすごいです。だから、いろいろなところで言っていますが、本当に自分たち次第。自分たちが、自分たちを信じ切れるか。厳しい練習をしないと、こういう強い相手には勝てません。練習とか、厳しい試合になると、途中で切れそうになる子も出てきたりします。

――仙台には、25歳、26歳が多いじゃないですか? 自分たちより若いFリーグ選抜の選手たちが結果を出しているのは、そういう選手たちの刺激になっていませんか?
荒牧 いま僕らのほうが順位は下ですからね。その辺の強さ、弱さだと思います。選手の質は、試合で発揮されるテクニック的な部分ではなくて、やっぱり長いシーズンで、高い練習強度を保ち続けられるか。いろいろな刺激を受けて、プラスに変えられるか。「F選抜に行っている選手があんなに強いのに、俺ら負けていられねーよ」という話もやっぱり出ていませんし、監督がすごく怒ったあとも「あそこまで言われる筋合いないからやろーぜ!」となるよりは、ちょっとシュンとしてしまうんですよね。

――素直なんですね。
荒牧 その辺はやっぱり、ほかのチームの経験ある選手たちとの差ですよね。言われたって、「言っていることは間違ってないからやるしかない」というの感じではなくて、「うーん」と受け入れられていない部分もあります。あとは、そこだと思います。そういうところのメンタリティがちょっとずつ変われば、結果も出ます。練習環境も良いわけですから。ただ、すぐには変わらないし、簡単には変わりません。

――チーム強化には、若手獲得というのも手だと思います。荒牧選手は関東にいたときも、育成リーグにかかわったりしていました。今回、U-18選手権を見て、どんな印象を持ちましたか?
荒牧 僕の視点としては、テクニックがあるうまい選手はどのチームにもいます。ポテンシャルあるなと思う選手もいますが、それを生かすにはチームの戦術も必要です。たとえば左サイドでドリブル突破がすごく上手な子がいるのに、その前にピヴォがいたら邪魔になってしまいます。中にカットインしたとき、フィクソの選手がその場にいたらピヴォの選手にとられやすくなってしまいます。そういうのを作ってあげられているチームが、すごく少ない印象を持ちました。ポテンシャルのある子たちだったら、ちょっとフットサルの練習をして、周りのボールを持っていない3人の選手の動きを徹底したら、もっと能力を生かせるはずなのになと感じましたね。

――フットサルをやっていない感じは出てしまいますね。
荒牧 そうですね。それにサッカーの人が、フットサルを見ると「フットサルってすごく決まり事、戦術が多いんでしょ?」って言われますけど、今のサッカーのトレンドも4-4-2にはこういうのが効果的で、相手がまた変更したらこうするっていう、フォーメーションをいじるようなフットサルと同じことがあるわけじゃないですか? でも、そうじゃないサッカーの指導者がまだいて、フットサルを見て「決まり事や戦術が多い」という印象を持たれると「サッカーの指導者の人たち大丈夫かな?」という部分も正直、感じますよね。動かないとスタンディングフットサルじゃないですか? それでも個があってすごい!となるかもしれませんが、もっと効果的に、一人が無理をしなくても簡単にプレーできるような選手たちは多かったと思います。だから、次は指導者が進化するタイミングかなと思いましたね。

――優勝した帝京長岡の選手は、個もありますが、判断ができるから、フットサルに適応している感じに見えますよね。
荒牧 (帝京長岡には)古沢徹っていう佐藤亮とガジルでやっていた人が指導者にいますし、今回も佐藤亮がコーチとしてベンチ入りしていました。作陽の方も、熱心にフットサルに取り組み続けている方ですし、そういうチームが結果を出さないといけないと思います。その意味でいえば、すみだファルコンズの初戦を見たときに、引き出しが少ないなと感じました。せっかくフットサルの基本のセットプレーで先制したのに、そのあとにセットプレーで得点できないとか。

――佐藤亮コーチも同じことを言っていました。もっとやられたらいやだったと。
荒牧 それに相手が個で上回っているなら、なんでマンツーマンをやり続けたのかなとか。たとえば1点リードした瞬間に、ゾーンで引いたら、何もできなかったと思うんですよね。そういう戦術的な揺さぶりをするのが、フットサルの基本じゃないですか。そういうのが見られなかったのはすごく残念です。みんな一生懸命、言われたことを忠実にやっている中で、すごいポテンシャルを発揮していたけど、もっと生かしてあげられたのではないですか?と思いましたね。

――「引いて守られたほうが嫌だった」と佐藤亮コーチも言っていました。
荒牧 そうすると「育成にとって」と言う人もいると思うんです。

――そこの話が出てきますよね。
荒牧 だけど、隆二さんと話をしていたのは、そもそも勝ちを目指さないなんて、スポーツじゃないじゃないですか? 勝つために有効な戦術を、前からいってみたり、引いてみたり、3枚やったり、4-0をやったりする。その中で選手が育成されていくわけじゃないですか? 前プレマンツーマンやって、個の能力を伸ばすって簡単そうに言っても、それには判断が伴っていないですし、頭の部分を鍛えてあげていないわけじゃないですか。「なんで急に監督はゾーンって言ったのかな? ああ、こういうことか」ってなる。そういう試合展開に応じた判断の部分の育成が、ちょっと放棄されている感じはしましたね。

――つまり、「この状況ならマンツーマンだ」「この状況ならゾーンにしたほうがいい」と切り替えられる指導者が不足しているってことですね。
荒牧 そうだと思います。だから、CKを見たときに、高い位置のCKをあれのオプションをやり続ければいいっていう指示が出ないし、選手も気づかないのはなんでかなと。そのあとの勝ち上がり方とか、決勝は見ていないのでわからないのですが……。ほかのサッカーのチームは、もっとそういう引き出しが少ないと思います。といっても、うちもそんなにできていないので、あまり言えませんけど…日本のサッカー、フットサルの今の問題はそこじゃないですかね。だから冗談で言ったのは、いくらジャンケンで気持ちを込めても、グーとグーならあいこじゃないですか?

――それはそうですね(笑)。気持ちの入ったグーと、ぽんと出したグーでは、あいこです。
荒牧 相手がグーを出すとわかっているなら、パーを出さないといけないし、パーが出てくるならチョキにするしって。そうやって相手のやり方を見て変化させていくのが、相手のあるスポーツですからね。

――今のはわかりやすい。気持ちを込めたグーも、グーです。
荒牧 もちろんメンタル的なところは大事ですが、高校生はすごく従順だし、ものすごいモチベーションでやっています。ツイッターで「この大会に出て泣く子が増えた」って書いていましたけど、フットサルに対するモチベーションがすごく上がってきている中で、そういう面白さ、タイムアウトもあるし、セット間の休んでいるときに「次に出たら、こうやってやってみよう」というのは、面白さだと思うんですよね。それはサッカーにも生きるはずなのに、まだ見られないんですよね。だから今のままだと、カルディナルとリカルジーニョのような選手は、日本でもプロになると思いますが、ペドロ・コスタみたいな選手は出てこないなと。

――考えなくていいと、そうなりますよね。
荒牧 そうです。足が遅い、テクニックがない、コスタを使う必要はないよねってなります。でも彼は、監督が指示を出さなくても、次はこう、次はこう、とやるべきことを判断できる。だから、ベンフィカとポルトガル代表でキャプテンを務めて、チャンピオンになったわけじゃないですか。その部分の視点が、すごく欠けていると思いますね。それはサッカー、フットサルにかかわらずだと思いますけどね。

――そういう相手を見て戦い方をイメージできる人がいても、実際に選手にやらせるのはまた違います。となると、なかなか良い指導者って出てきませんよね。
荒牧 去年の健介さんは、先にそれをバーッと提供したんです。でも、そうすると一気にインテンシティが落ちるんですよね。

――考えすぎて、一歩が遅くなるわけですね。
荒牧 そうです。これなんだっけ、このときどうだっけ? と見て判断するのは難しいので。だから逆に15歳、18歳からそういうのに取り組んでいれば、大人になってもすごくスムーズにできるのではないかと思いますね。

――取り組んでいる時間が長ければ、オートマチックにできるようになるわけですね。指導者は大変ですね。
荒牧 大変ですよ。でも、サッカーに比べてフットサルの指導者のハードワークは、まだ足りていないじゃないですか? バスに乗って、あっちまで行って遠征して、こっちまで遠征して…というのは、サッカーの指導者の本当に素晴らしい部分です。

――ロンドリーナの伊久間さんくらいですかね。フットサル出で、バスを運転して遠征も繰り返してやっているのは。作陽の三好達也監督は、バスでいろんなところに選手たちを連れて行っていますが、今大会でもパッとプレーが切れたとき、選手を呼び集めて指示をさっと出しちゃうんですよね。それでタイムアウト1回分の効果を出せてしまう。そういう抜け目なさが、サッカーの現場に立った経験がある監督にはあるんだなと感じました。
荒牧 仙台は、ベガルタとヴォスクオーレの社長がつながっているので、U-15とか、U-18の世代で、サッカーとフットサルで新しい風を吹かせられたらなと、すごく思います。

――街を活性化したいということですか?
荒牧 それもありますが、やっぱり東北のサッカー、フットサルにもっと貢献したい。ベガルタもなかなか勝てない。U-15でヴォスクオーレと提携して、フットサルのエッセンスを取り入れたら結果が出たよ、全国でベスト8やベスト4に入るようになれば「何をやったの?」「実はね……」ってなるわけじゃないですか? そういうことができる可能性が、すごくあります。

――それはいいですね。
荒牧 はい。(ヴォスクオーレの)社長がサッカーでも、いろいろとつながっている方なので。本当に地方都市だからつながれる部分は絶対にあります。そのためには、僕らもっと結果を出さないといけませんし、もっとフットサルを突き詰めないといけませんが、そういう可能性がほかの地域に比べたら間違いなくあります。だって、絶対に雪が降りますからね。

――フットサルをやらないといけない環境があるわけですね。
荒牧 しかも、体育館でボールを蹴ることが、東京ほど厳しくないんです。蹴って当たり前ですからね。だから体育館でミニサッカーをやるなら、ちゃんとしたフットサルをやりませんか?とか。体の動かないオジサンたちが、フットサルでは高校生に勝つとなると、面白いじゃないですか。そういうのを使って、地域の活性化、他県とのつながりをもっともっとつくっていけたら最高ですよね。

――スポーツで町おこしは、できますからね。そのためにも、愛されるチームにならないとですね。
荒牧 そのためにも絶対、結果は必要です。ただ俺たちがフットサルを頑張っているだけでは面白くないですしね。

――とはいえ、頑張っていない選手は、絶対に応援されません。
荒牧 南米のサッカーは、欧州チャンピオンズリーグに比べると、レベルは低いかもしれません。では、なぜあれだけ熱狂するかといえば、生活をかけた僕らが、プロとして死闘を演じているわけじゃないですか? 来シーズン、首になるかもしれないという危機感があって、その死闘を見せないと。スゴイ失礼な言い方ですが、スクールコーチをやっていて安定している選手と首のかかっている選手の戦いは、全然違うんです。だから死闘を演じるようにならないと、お客さんも見てくれません。今年は順位が去年より下がるかもしれませんが、3年、4年、5年といれば、絶対に良くなってきます。それは間違いないです。

――イメージとしては、ここがキャリア最後のクラブですか?
荒牧 わからないです。わからないです。でも、それも考えますよ。この年齢ですし。でも、冬の厳しさも知らないですし、それでどう感じるかはわかりませんから。でも、僕は毎回、毎回、全部最後だと思っていますよ。浦安で最後、キャリアを終わらせるつもりでいましたし。これからの人生がどうなるかはわかりませんが、毎年毎年、本気で勝負しています。それはこれまでも、これからも変わりませんよ。

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