シュライカー大阪

【選手権】現役引退を心に決めて臨んだ最後の選手権 冨金原徹「相手に気持ちで上回れるのがイヤだった」

[3.11 第23回全日本選手権大会 決勝 名古屋 2-1 大阪 駒沢]
全日本フットサル選手権は、Fリーグが終わってから約1カ月後に行われている。Fリーグのクラブでプレーする選手にとっては、シーズン最後の大会であり、そのシーズンで現役引退や退団を決めている者にとっては、そのクラブにおける、あるいはキャリアにおける、最後の大会となる。

シュライカー大阪は、すでにFP佐藤亮が現役引退を表明、FPクレパウジ・ヴィニシウスの退団も発表されていた。クラブは同時に未来へと向かっており、2017/2018Fリーグプレーオフまで指揮を執っていた木暮賢一郎監督が退任。あらたに比嘉リカルド監督が就任していた。

大阪は割と革新的なことをやるから、今大会を完全に来季の準備に費やす可能性もあるのかなと思っていた。だから、全日本選手権の決勝後の公式会見で、比嘉リカルド監督に「来季に向けた準備をするなら、退団が発表されている選手を起用せずに、来季の準備に費やすこともできたはず。彼らをしっかりと起用した理由は何だったのですか?」と、質問をした。

その理由を語った比嘉監督は、最後に「まだ発表されていないけど、冨金原徹もやめます。チームを離れる選手たちとは、もう一年一緒に戦いたかった」とコメントをしていた。

来季からはFリーグのディビジョン2ができる。各クラブは戦力アップを望んでおり、日本代表のGKとしての経験もある冨金原も、他クラブへ移籍することになるのだろうと思った。

試合後のミックスゾーンで別媒体の取材を終えた冨金原に、会見で比嘉監督が退団を漏らしたことを伝え、今後どうするのか?と聞くところから、取材は始まった。

以下、名古屋戦後の冨金原徹選手のコメント

――先ほど記者会見で、監督が冨金原選手の退団を漏らしてしまいました。
冨金原 あ、本当っすか(笑)。

――ただ、シュライカー大阪をやめることだけで、次にどこに行くかは言っていませんでした。引退ですか?
冨金原 引退します。まだオフィシャルに出ていないので、それまでは待ってください(笑)。

――今日のパフォーマンスだと、まだまだできそうですよね。
冨金原 そう言ってもらえて終われるのが最高だと思っていました。お世話になりました。でも、決勝で終われるなんてね、本当に最高です。

――全然、ラストマッチというつもりで見ていませんでした。
冨金原 それが肝です。そう思わせたくなかったのです。

――そういう雰囲気になるのが嫌だったんですか?
冨金原 そうです。相手のチームに気持ちで上回れるのがイヤだったんです。『引退するキーパーなら入りそうだな』って、そんな感覚を持たれるのがイヤだったんですよね。サポーターの方々に挨拶をできなかったのは、心残りですけどね。バナナ(ヴィニシウス)とか、(佐藤)亮とかは、挨拶できていますが、僕はオフィシャルに発表するまではできなかったんで、そこは申し訳ないです。

――今後については?
冨金原 出身地の横浜に戻る予定です。

――YSCCというクラブが新たにF2に入ったんですけど (笑)。
冨金原 そうみたいですね(笑)。教員の夢がずっとあったんですけど、体育教師になれたらなと思っています。経験はいろいろあるので、伝えられることはたくさんあるかなと思っています。でも、Fリーグの会場には、引き続き応援に行こうと思うので、よろしくお願いいたします。

――試合の話も聞かせてください。今日の試合は先手をとられる展開になりました。メンバーのそろった大阪が、これだけ攻め込まれるのも珍しい試合だったと思います。
冨金原 やっぱり名古屋は強いですよ。個人もそうですし、戦術的にもそうですし。簡単じゃないです。

――守備が振られる中でも、最後に冨金原選手がゴール前に立ちはだかりました。吉川智貴選手に打たれた2本のシュートなんかは、決まっていてもおかしくありませんでした。
冨金原 感触はすごく良かったので、自信はありましたね。

――八木選手に決められた2点目は、ノーチャンスでしたか?
冨金原 そうですね。あれはちょっと難しかったです。でも、チーム全員でやれることはやったので、受け入れるしかないです。あとは比嘉さんになってまだ間もないので、これからもっと良くなると思います。

――守備はだいぶ変わりましたね。
冨金原 はい。でも、もっと本当はやりたいことが、まだ出来上がっていないんで。まだ出し切れていません。ただ、今やっていることというのは……今までの大阪は基本的にディフェンスはマンツーマンで、個人の能力で守るというのでしたが、組織を入れています。また、若い選手は木暮監督しか経験していない選手が多いので、そういう点でも、どんどんチームが良くなってきたのかなと思います。

――個人の話に戻しますが、引退を決めた一番の理由は何だったのでしょう。
冨金原 一番は、自分の中で『やりきったな』と思えたんです。そう思えたからだと思いますね。

――W杯も経験したし、タイトルも多く取り、これ以上の目標を選手として探すのは、確かに難しいかもしれませんね。
冨金原 はい。優勝も全部、去年させてもらったので、もうお腹いっぱいという感じです。

――でも、そう言って終われるのはいいですね。
冨金原 本当に幸せです。本当に、こんな終わり方ができるなんて、本当に感謝しています。

――今日、優勝できていたら最高でしたね。
冨金原 いや、もちろん優勝はしたかったですけど、それはこの先の人生に向けて「おまえ、頑張れよ」と言ってくれているのかなと。だから、大事な銀メダルです。自分が獲れなかったW杯優勝の夢は、後輩たちに託します(笑)。

――教え子がやってくれると素敵ですね。ぜひ、学校にフットサル部をつくってください。
冨金原 できたらいいですね。これからも何かできることがあれば、貢献出来たらなと思います。

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コメント

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  • コメント (1)

    • taku.kawai
    • 2018年 3月 15日

    メディアの立場で言うと、大会前に引退を発表してもらった方が、いろいろと準備はしやすいです(笑)。
    でも、「相手のチームに気持ちで上回れるのがイヤだったんです。『引退するキーパーなら入りそうだな』って、そんな感覚を持たれるのがイヤだった」という言葉には、最後まで勝負にこだわった彼の姿勢がうかがえます。
    佐藤亮選手、ヴィニシウス選手は最後だということを表明して、
    高いパフォーマンスを発揮していましたが、そこにはFPとGKの感覚の違いもあるのかもしれませんね。
    すでに教員免許証は持っているとのこと。彼がどんな授業をするのか、見てみたいです。

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