コラム

【ビバ! フットボール・サラ】第11回 欧州で何が起こっているのか? UEFAフットサルカッププレビュー

4月20日からUEFAフットサルカップ決勝ラウンドが、スペインのサラゴサで開催される。

UEFAフットサルカップとは欧州各国のリーグ王者が集い、欧州王者を決める大会だ。まさに「サッカーのUEFAチャンピオンズリーグの“フットサル版”」なのだが、2018-2019シーズンからは大会名が「UEFAフットサルチャンピオンズリーグ」に変更される。今までは欧州王者になったチームがある国は、翌シーズンに2チームが参加することになった。なぜなら、前大会優勝チーム枠があったからだ。例えば2006-2007シーズンでは、スペインからインテルとエルポソの2チームが参加した。インテルが前大会優勝チームで、エルポソはスペインリーグ王者として出場し、両者は準決勝で対戦した。2007-2008シーズンは、ロシアのディナモ・モスクワとヴィズ・シナラが出場していた。ただ原則として、各国のリーグ王者だけが出場できる大会だったが、今シーズンは過去の実績、競争力を考慮し、スペイン、ロシア、イタリアの3カ国の協会からは2チームが参加している。2001-2002シーズンからUEFAが主催にするようなってから大会ロゴやトロフィーの形は変わらないが、大会方式はシーズンを重ねる度に改善され、大会規模、重要度も大きくなっている。

決勝ラウンドは毎シーズン、ひとつの開催地に勝ち残った4チームが集い、準決勝、3位決定戦、決勝が集中開催される。今シーズン準決勝に勝ち残ったのは、前大会王者でスペインリーグ王者のインテル、昨シーズンのスペインリーグファイナリスト、バルセロナ、昨シーズンのUEFAフットサルカップファイナリストでポルトガルリーグ王者のスポルティング・リスボン、そしてハンガリーリーグ王者ジェールだ。

参加枠が増えたが、ロシアとイタリアの2チームはいずれも決勝ラウンドにたどり着けなかった。特にロシアは昨シーズンの同国プレーオフのファイナリストの2チームが財政事情でチームの経営規模を縮小しなければならず、早期敗退は予期されていた。

今シーズンのサプライズは、ハンガリーのジェールだ。同国の盟主だが、準決勝進出はクラブ史上初めてとなる。エリートラウンドでイタリアのルパレンセを破り、準決勝進出を果たした。チームを指揮するのは、現役時代にスペイン代表として2度の世界王者となったハビ・ロドリゲスだ。現役引退後に監督として早速、結果を残している。キャプテンは元スペイン代表ファンラが務め、バルセロナBに所属し、U-19、U-21スペイン代表経験のあるコンスタンティーノらメンバーには合計でスペイン人が3人、アルゼンチン人1人が所属する。

準決勝でジュールは、スポルティング・リスボンと対戦する。昨季のファイナリストは、2月に史上初めて欧州選手権を制覇したポルトガル代表メンバーを始め、イタリア代表ピヴォのフォルティーノ、イタリア代表アタッカーのメルリム、ブラジル代表ジギーニョらスター選手を揃える。ジュールに勝機は限りなく、小さい。

準決勝で注目が集まるのは、スペインのチーム同士の対戦だ。インテルとバルセロナは昨シーズンの同国のプレーオフの決勝カードであり、今シーズンも両者の対戦は観衆にスペクタクルを提供している。
スペイン14節インテル対バルセロナ(4-1)
ハイライト

コパ・デル・レイ準決勝ファーストレグ・インテル対バルセロナ(4-4)
ハイライト

コパ・デル・レイ準決勝セカンドレグ・バルセロナ対インテル(3-3)
※アウェーゴール数により、バルセロナが決勝進出を決める

スペイン29節バルセロナ対インテル(3-3)
ハイライト

上記のように今シーズンは両者の対戦戦績はインテルの4試合1勝3分。とはいえ、インテルはコパ・デル・レイ(国王杯)では2分けだが、アウェーゴール数でバルセロナに敗退に追い込まれた。

欧州連覇を目指すインテルは、スペインで最も魅力的なフットサルを披露している。ヘスス・ベラスコ監督はピヴォを配置しないクアトロゼロ(4-0)でポゼッションを高める好機を見出すフットサルを好む。チームの中心であるポルトガル代表リカルジーニョ、ブラジル代表ラファエル、ガディア、スペイン代表オルティス、ポラら世界選抜ともいえるメンバーが小気味よくパスは紡ぎ、パラレラ、ディアゴナルや壁パスで相手陣内に生まれたスペースを突いていく。「美しく勝つ」を体現するチームだ。

スペインリーグ4連覇、現欧州王者インテルのエース、ポルトガル代表リカルジーニョ

今シーズンはスペイン代表ソラーノ、ブラジル代表エリサンドロという2人のピヴォを獲得したので、クアトロゼロと同じくらい、ピヴォを軸にした3-1の陣容でゲームを進める時間も多い。ピヴォを置くが、ポゼッションを高めるという指揮官のチームカラーは失われていない。

インテルは世界有数の選手を数多く抱えながらも、戦術、戦略のコンセプトは一貫している。選手は指揮官が描く戦い方において課せられたタスクをこなし、そして各々が持つ武器や個性をコートで発揮していく。たとえ1人の選手が不調でも問題はない。彼らには個人に頼らなくてもいい戦い方浸透している。困った時に戻れる確固たるコンセプトがある。ゆえにパフォーマンスに波が少なく、戦績も安定している。

攻守両面で汗を流すブラジル代表ガディア

一方のバルセロナはコートにいる選手によって、色が決まる。今のバルセロナのカラーはブラジル代表ピヴォのフェラオとアラのディエゴだ。フェラオは昨シーズン、スペインで得点王となり、1対1が得意なアタッカーのディエゴはリーグMVPに選出された。セレソンのデュオは、スペクタクルだ。2人で面白いように決定機をつくるが、そこが封じられると攻撃の破壊力も、選択肢も少なくなってしまう。特にディエゴの存在はバルセロナにとって特別だ。1対1の勝率は今やリカルジーニョよりも高いセレソンのアタッカーは、1対1に勝ち、数的優位な状況を容易に作り出す。その時にバルセロナは連動し、一気に決定機を持ち込む。だが、彼のドリブル突破への依存は否めない。ディエゴは3月中旬に行われたスペインカップで負傷してからコートを離れていた。決勝ラウンド直前にやっと全体トレーニングに合流できたばかりで、100パーセントのコンディションではない。

インテルが優位に見えるが、ただ試合は1発勝負だ。インテルはスペインカップ決勝で延長戦の末、ハエンに敗れた。コパ・デル・レイでも準決勝で敗退しており、結局今シーズンはいまだにタイトルを手にしおらず、インテルの勝負弱さも気になる。

インテルの黄金期をけん引する指揮官ヘスス・ベラスコ

昨シーズン、インテルはUEFAフットサルカップの決勝でスポルティング・リスボンに7-0と大勝している。ゆえに“事実上の決勝”とスペイン勢同士の準決勝を揶揄する声もあるが、はたして制するのはどちらのチームだろうか。

2016-2017シーズン
UEFAフットサルカップ決勝スポルティング・リスボン対インテル(0-7)
ハイライト

スペインカップ決勝インテル対ハエン(4-3)
ハイライト

UEFAフットサルカップ決勝ラウンド・サラゴサ2018
4月20日
準決勝ジェール対スポルティング・リスボン
準決勝インテル対バルセロナ

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