コラム

【Zama~Miro!】プレーの強度とは? 世界王者と名門クラブの一歩目・その2(スペイン1節サンタ・コロマ対エルポソ戦レポート)

今シーズンからエルポソを率いるディエゴ・グストシィ

スペイン在住の座間健司氏による不定期コラム「ザマーミロ」。某フットサル専門誌での連載を勝手に復活させちゃいます。Miroはスペイン語で「私は見る」という意味。国内外のトップレベルの選手たちも、フットサルを見る確かな目を評価する座間氏は2018/2019シーズンの開幕戦のサンタ・コロマvsエルポソをどう見たのか。前編と後編の2回に分けてお届けします。

前編はコチラ

後半のエルポソと吠えたディエゴ

後半が始まってもコートの勢力図が変わる兆しがない。アルゼンチン代表コルソがスペイン代表ミゲリンからボールを奪ったことから始まったショートカウンターで、サンタ・コロマが3-1とした。後半が始まって数秒で、再度点差が2点に広がった。コルソは、世界王者のスタイルを体現していた。小柄なアラ-フィクソは、長身のブラジル人ピヴォのピトに負けるどころか、突き飛ばしていた。攻撃ではボールを奪えば、迷わず前に飛び出して行く。攻守の切り替えが速く、戦況を見極める眼が的確だった。大半の対人プレーに勝っていたサンタ・コロマをけん引したのは、コルソだった。

試合の流れが変わったのは、エルポソのファウルだった。サンタ・コロマの選手が競り合いながらもインターセプトを成功させ、ドリブルで前進する。それに対して、エルポソの選手がファウルでドリブルを止めなければならなかった。それをベンチで見ていたディエゴはチームに向かってこう言った。

「お前たち、見たか!  あれが強度だ! 強度の高いプレーだ!」

指揮官は吠えた。

ディエゴが言っていたのは、ファウルをした自軍ではなく、サンタ・コロマの選手のプレーだった。自分たちもああいうプレーをしなければいけない。ただ走り、ボールを触るだけでなく、戦わなければいけない。意図を持ち、強い意志と闘争心を持ってプレーしなければいけない。

ディエゴが発熱すると、選手たちは発火した。

ボールを簡単に失うことはなく、攻撃は必ず意図を持って終わった。相手を倒すことはあっても、自分たちが床に伏すことは減った。もともとのクオリティは、ライバルよりも高い。コーナーキックから1度はポストに跳ね返されたが、それを粘り強く押し込んだフェルナンドのシュートが逆転ゴールとなった。終盤にはあれだけ苦しめられていたコルソからミゲリンが身体を当てて、ボールを奪い、無人のゴールに流し込み、ダメを押した。エルポソのプレーの強度があがり、スコアボードがひっくり返った。

シーズンは始まったばかりだ。新監督の意図がチームに完全に浸透するには、まだ時間が必要だ。ましてや前任者は16年間務め、黄金期を築いていた。その後釜だ。早急に変えようとすれば、何かしらのギャップが生じるリスクは高い。だから、徐々になのだろう。前半は静観していた新監督ディエゴは、後半に吠えた。そして結果は好転した。

エルポソは、変貌へと歩み出している。

今回の記事で座間氏がつづっている試合のハイライト動画がこちらです。

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