コラム

【Zama~Miro!】タイトル:退屈だった試合の原因(スペイン2節バルセロナ対サラゴサ戦レポート)

得点を喜ぶバルセロナと失点にうなだれるサラゴサ

小説にしろ、映画にしろ、面白いものがあれば、つまらないものもある。フットサル観戦も同じだ。チャンピオンズリーグ、欧州選手権、ワールドカップであっても退屈なゲームは存在する。「フォースの覚醒」は好きだけど「最後のジェダイ」は嫌いという人がいるように、趣味嗜好は人それぞれだが、スペインリーグ2節のバルセロナ対サラゴサ戦は退屈だった。スペインは「世界最高」と自称するように、地球上で最もスペクタクルなフットサルを展開している。とはいえ、毎試合興奮するゲームが続くわけではない。「世界最高」のスペインでも1シーズンに3、4試合は「なぜ、僕はここにいるんだろう?」とハーフタイムに思わずため息をついてしまう日がある。

この夜は、まさにそうだった。

バルセロナがサラゴサをパラウ・ブラウグラナに迎えたゲームは、淡々と行われた。優勝候補のバルセロナが、あわよくばプレーオフ出場権を獲得を目指すアウェーチームに大勝した。結果は大半の人の予想どおりだっただろう。想定できるスコアだったから、面白くなかったのか。そうではない。サラゴサが勝利への工夫を怠っていたからだ。だから時間が経つごとに試合への興味を失っていた。

バルセロナには、スペインとブラジルの世界各国の実力者が集う。ワンプレーで試合を一変させ、ゴールを決める選手が揃う。4人、もしくは3人が連動するプレーは少ないが、個々のクオリティで勝点を積み重ねられる。なぜなら、突出した個の力が各選手にあるからだ。対してサラゴサは経験がある選手が多いが、個の力はどうしても劣る。股抜きから強烈なシュートをサイドネットに叩き込んだブラジル人アタッカー、バッソウラのような存在もいたが、彼にしても1対1の勝率は、バルセロナのスペイン代表アドルフォ、ホセリートと比較すると低かった。各々で勝負しても、敵わない。もしバルセロナ相手に勝点を奪いたいのであれば、大半のチームがそうなように弱点を補う戦略が必要なはずだ。

しかし、サラゴサは真っ向から勝負し、当然のごとく負けた。

バルセロナのフットサルは、個々の力を押し出すシンプルな「たし算」だ。連携は少ない。パスの出し手と受け手の2人の関係でフィニッシュに持っていくことが多い。弱者は選手の個の力を合計した数字では勝てないから、戦略やコンビネーションで選手と選手のキャラクターを掛け合わせた「掛け算」にしなければいけない。もしくは弱点を徹底的に突き、相手の個の力を少しでも減らす努力が求められる。だが、この日のサラゴサは「たし算」で挑んでいた。実力差を埋めようとする策も術も観てとることはできなかった。そんな工夫の欠如が、試合を退屈なものしていた。

アウェーチームの勝利への姿勢も、つまらなさに拍車をかけた。彼らのディフェンスは立っているだけでボールを奪う気がない。前半11分にバルセロナが4-0としたのだが、スコアの下に表示されたもうひとつの数字のペアは、4-2となっていた。ファウル数だ。強者のファウル数が多く、弱者が少ない。たとえば、奪いに行って、足を出す。相手のスキルが一枚上手で遅れてしまってファウルになることがあるが、サラゴサはボールの前に意思もなく立っていたので、ファウルを犯すこともなく、また抜かれた後に得点機会を潰そうという戦略的なファウルを決断することもなかった。

工夫の欠如に試合への姿勢。勝利するために何をするのか、したいのか。そして本当に勝ちたいのか。そういうメッセージを少なくとも僕はサラゴサから受け取ることができなかった。だから、試合はつまらなかった。

 

座間健司氏がつまらなかったとボヤいているのが、こちらの試合です。フルマッチ。見るか見ないかは、アナタ次第。
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